クレーン船「富士」との再会…4

(『クレーン船「富士」との再会…3』のつづき)

219021.jpg
右舷を見せた「オーシャンシールⅡ」をいま一度。赤い灯浮標がよいアクセントになっています。色彩的に「富士」ほどの派手さはないものの、地味に質量を感じさせるその姿もまた魅力的。護衛艦一隻くらい、軽く載せられそうですよね。

219022.jpg

219023.jpgここで、大型客船が入港してきました。「ぱしふぃっくびいなす」(26,518t)だ! 間近に迫ってくる巨船の迫力に呑まれ、クレーン船観察は一旦お休みに。

と、爆音が聞こえたので北側を見ると、PWCのフリートが大挙して南下してきます。「ぱしふぃっくびいなす」と反航する形になるけれど、大丈夫かしら?


219024.jpgPWCはこちらから見て手前、本船からすれば左側通航ですれ違ってゆきました。複数隻で巨船の直線横断をすることを思えば、むしろ適当な判断でしょう。

PWCの人たちも、「ぱしふぃっくびいなす」の威容に目を奪われているようです。いや我々だって、動く大型客船をこんな近くで見るのは初めて。微速でしずしずと迫りくる巨体に、すっかり見入ってしまいました。

219025.jpg
入港風景を眺めているのでしょう、デッキのそこかしこに乗客の姿が見られ、こちらに向けてしきりに手を振っています。大きくゆっくりと手を振り返して応え、気持ちのよい交歓ができた嬉しさを噛みしめたのでした。

(30年4月29日撮影)

(『クレーン船「富士」との再会…5』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : クレーン船 曳船 東京港

クレーン船「富士」との再会…3

(『クレーン船「富士」との再会…2』のつづき)

219016.jpg
5月4日からのタイトルの一瞬後ですが、今回のベストショット(?)といってよい角度。ああ、来てよかった‥‥。

もっと右へ出て、岸寄りから狙いたかったけれど、通船や警戒船の通航が頻繁にあり、据え付けた桟橋ジャケットにも近づくことを考えると、このあたりで我慢しておこうと思い留まったのでした。

219017.jpg

219018.jpg舵を転じて北上しながら、ディテールをズームで少し。抜き文字のロゴの入ったジブ、初めて出会ったときのことを思い出させます。フックは色分けされていてカラフルですね。

船尾に目をやると、太い錨鎖を巻き上げており、泥を洗い流す海水がほとばしっています。作業はすでに終わり、出港はこの翌日でしたか、すでに準備が始まっているのですね。

219019.jpgゆっくり移動するうち、「オーシャンシールⅡ」のほぼ正面に来たので、これも一枚。曳船が右に2隻ついているところを見ると、アンカーはすべて水底を離れ、移動を始めたようです。

こちらもアンカーレセスやムアリングホールから、海水が噴き出ています。右手の曳船「KAZUSA」とくらべても、船首楼がいかに大きいかわかりますね。


219020.jpg
船の科学館と並んで、真後ろほぼドンピシャで。クレーン船らしさは少し薄れるものの、空に描かれた巨大な紅白の三角形が圧倒的で、また違った魅力を覚えるアングル。

こちらも左舷に曳船がついて、押しにかかっているようです。まだ錨鎖を巻き取っている途中ですから、南風で流されないよう、船位を保つためでしょう。

(30年4月29日撮影)

(『クレーン船「富士」との再会…4』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : クレーン船 東京港 曳船

クレーン船「富士」との再会…2

(『クレーン船「富士」との再会…1』のつづき)

219011.jpg「オーシャンシールⅡ」の長大な舷側が途切れたところで、「富士」との逢瀬に戻ります。ああ、10年ぶりに眺めるこの雄姿。ゲートブリッジの浜出しには及ばないにせよ、周囲を圧する質量過剰感は、まことに快いもの。

逆光気味なので、ディテールを味わうにはこの角度からだといま一つ。向かい波に突き上げられながら、右舷を望む南側へ出てみましょう。

219012.jpg
おお、光の加減もよくなり、だいぶシャープになってきましたね。季節柄とて、バックに抜けるような青空は望むべくもありませんが、強めの南風で靄は吹き払われているせいか、思ったよりくっきりとしています。

219013.jpgと、ここで入港船あり、間近を過ぎる船影に思わず目が奪われました。日の出埠頭から出ているレストラン船、港内ではおなじみの「シンフォニー・クラシカ」です。

さすが天下の東京港、しかも表玄関の第一航路とあって、出船入船は引きも切りません。「富士」に惹かれつつも、たびたび気を散らすことになりました。


219014.jpg
よ~しよし、いい塩梅になってきたぞ!
船の科学館を吊り上げんばかりの角度、よろしいじゃございませんか!

ちなみに今回の「富士」の仕事は、青海に建設中である新客船埠頭の、桟橋になるジャケットを据え付ける工事だそう。本埠頭の完成にともない、晴海の客船埠頭は廃止、オリンピック選手村として整備されるとのこと(『東京港新客船埠頭、2バース化へ 晴海の旅客船埠頭は廃止WEB CRUISE)。

219015.jpg
よいアングルになってきたので、船橋周りをズームでたぐって一枚。アップトリムのかかった舷側は、曳船でしじゅう押し引きされるせいかすり傷だらけですが、内舷は絶えず整備されてるのか、清潔そのものです。

甲板室後部の天端に並ぶ幾多のウィンチ、交錯する索具と構造物の上を縦横に走るラッタルやハンドレールと、マクロの中に展開するミクロ、といった感じのディテールが楽しめたのでした。
撮影地点のMapion地図

(30年4月29日撮影)

(『クレーン船「富士」との再会…3』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : クレーン船 曳船 東京港

クレーン船「富士」との再会…1

(『4月29日の巡視艇』のつづき)

219006.jpgでまあ、何ゆえ鼻息荒く出てきたかと申しますと、
コレです!⇒

深田サルベージの巨大クレーン船「富士」が、東京港へ来ているとさる方からこの前日に教えていただき、勇躍出港したというわけ。最近は築地大橋の架橋にも出動したそうですが、自分にとっては過去ログ「春海運河スペクタクル…3」以来、10年ぶりの再会。鼻息も荒くなろうというものです。

219007.jpg
「富士」が作業をしているのは、船の科学館のすぐ近く。第一航路に出ると、折柄強まってきた南風が波を生じさせ、硬い衝撃が連続して襲ってきます。

富士の右手に見える、黒い大きなモノは‥‥。同じく深田サルベージのデッキバージ「オーシャンシールⅡ」! 初めて見る船影ですが、21年9月20日、ゲートブリッジの架橋現場で見た「オーシャンシール」の姉妹船でしょうか。

219008.jpg
まだ距離のあるうちから、波にもまれつつシャッターを切りまくり。「富士」「オーシャンシールⅡ」のツーショット、居並ぶ両雄がデカ過ぎて、背後のキリンさんたちとくらべても、スケール感があいまいになりそうなシーン。

219009.jpg

219010.jpg作業の邪魔にならないよう、航路中央側へ大回りしながら「オーシャンシールⅡ」の船首楼(?)を一枚。塗装もまだ真新しい感じできれい。深田サルベージ建設のサイトにはまだ載っていないけれど、新造間もないということなのでしょうか。

周囲では、大きな曳船が盛んにくるくると動き回っています。ラウドスピーカーで注意されやしないかとひやひやしながら、十分距離を取って「富士」を眺めるベストポジションへ。

(30年4月29日撮影)

(『クレーン船「富士」との再会…2』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : クレーン船 曳船 東京港

4月29日の巡視艇

219001.jpg4月29日はぜひ艇上から見たいものがあって、短時間ですが鼻息も荒く出動してまいりました。まずは曙運河を南下、貯木場(今はクレーン船溜りですが)の柵が近づいたところで、舵を右へ。

運河南口角に昔から放置されている廃曳船、ちょうど干潮時とあって、船体まで露出していました。煙突など凸部はだいぶ崩壊したものの、甲板室はまだ原形を保っていますね。

219002.jpg
そして角を曲がり切ったところには、おなじみ墨田川造船の浮きドックと桟橋があります。

今日はどんな船がもやっているかな‥‥と楽しみにしていたら、おお、昨年11月26日に見かけたスリランカのハルナンバー501と、その向こうは3月28日に艤装中だった「いせゆき」でしょうか、2隻がもやっていました。

219003.jpg
2隻のサイドビューを。501、船橋構造の後ろに、天蓋つきのフライブリッジを設けたのですね。船体の線図は国内向けと略同のように思えますが、細かい艤装の違いにお国柄が現れるようで、興味をそそられます。

219004.jpg

219005.jpg「いせゆき」は、上構が生地のままなのは変わりませんでしたが、足場を組んでマストの組み立て中でした。形からして、折りたたむ構造にはなっていないようなので、橋や水門のないここでの艤装が必要なのでしょう。

一方は竣功すれば遠路スリランカへ運ばれるので、ここで2隻並ぶのも最初で最後。国籍は違えど兄弟船、心あらば、こもごも語り合っていることでしょうね。
撮影地点のMapion地図

(30年4月29日撮影)

(『クレーン船「富士」との再会…1』につづく)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 曙運河 巡視艇

「舟筏路(しゅうばつろ)」! この甘美な響き

閘門好きを公言してはばからない船頭ですが、閘門だけでなくインクラインや水斜面など、水位差のある場所に設けられた舟航施設全般にも、大いに食指が動くたちです。

一昨年、28年8月のこと。「阿賀野川頭首工を愛でる…11」の拍手コメントに、「Lambda の徒然日記」のLambdaさんからの書き込みがありました。お子さんと木曽川は関電今渡発電所の見学に行かれた際、ダムに舟通しの一種があって、「舟筏路(しゅうばつろ)」と呼ばれていたとのこと。

舟 筏 路!
初めて目にする言葉です。字面の佳さに加えて、その読みも水路バカの血を沸かすような、豊潤かつ甘美なものがあるじゃないですか! まさに声に出して読みたくなる日本語、いっぺんで気に入ってしまいました。

さっそくブログを拝見してみると、見学記が何本かの記事になってアップされていました。中でも興味深かったのが、舟筏路を間近で見た写真のある、「ぷにぷに発電所見学・その4」。

もう目ん玉見開いて掲載の写真を観察。下流側は両サイドに壁を立ち上げた、溝状の構造物がスロープをなしていて、水面下まで伸びています。壁の天端にはレールとガイドローラー様のものが敷設されていることから、恐らく台車がワイヤーに曳かれて上下する、インクラインに近い施設であろうことがわかりました。興奮でハフハフしつつ、Googleマップでさっそく今渡ダム(↓)を表示、交互に眺めながら記事を拝見したものです。

218055.jpg
ホンモノのGoogleマップで今渡ダムを表示

しかし、上流側のしくみがいま一つわかりません。Lambdaさんの記事にある、6枚目の写真には台車が写っていますが、インクラインだったらサミットを越えた後に、船を載せた台車ごと泛水するところ、写真を見たかぎりでは、台車はスロープの角度のまま上昇し、水面はるか上に位置しています。

上流側の壁天端には、レールやローラーも見えないようだし‥‥。まさか、泛水は船を鉄枠の上にあるテルファーで釣り上げて、台車を避けてから吊り下げるのかしら? それとも、ゲートを開放して溝の中に水を流し、台車は船や筏を浮かせたまま、牽引するためのものとか‥‥。例によって、ぐるぐると根拠の薄い妄想が脳内を駆け巡りました。ダムの上下流に橋がなく、管理橋も公道でないことから、ストリートビューでの観察もできず、興奮しながらもどかしい思いをしたものです。

218056.jpg
ホンモノのGoogleマップで川辺ダムを表示

そんなわけで、構造については壁に突き当たってしまったものの、ふと「ここに舟筏路が設けられているなら、流域の他のダムにもあるんじゃないか?」と思いつき、開いてあったGoogleマップをぐりぐり上流へスクロールしてみると‥‥あった!

今渡ダムすぐ上流にある合流点から飛騨川を遡上し、約5㎞を経たところにある川辺ダムです!
おおお、今渡ダムの舟筏路よりはるかに長い! しかも曲線がすごく魅力的!
一見してずいぶん古びており、長い間使われていないように思えましたが、これだけの規模の舟航施設が現存していたこと、さすが筏流しで知られた木曽川水系と、大いに感動させられたものでした。

218057.jpg
ホンモノのGoogleストリートビューで犬山頭首工を表示

さて、今度は下流へGoogleマップをぐりぐりすると、今渡ダムの14㎞ほど下流、犬山城のすぐ近くにある犬山頭首工にも舟筏路らしきものが! 幸いここの管理橋は「ライン大橋」と名付けられた公道なので、ストリートビューで堪能できました。

‥‥とまあ、Lambdaさんのご教示のおかげで、舟筏路の存在を知ることができ、大興奮のひとときを過ごした2年前でありました。遅ればせながら、Lambdaさんに厚く御礼申し上げます、ありがとうございました!

ダムファンの皆さんは先刻ご承知のものばかりで、何ともお恥ずかしい限りではありますが‥‥。謎の解明とともに、いずれ機会をとらえて木曽川・飛騨川を訪ね、舟筏路めぐりとしゃれ込みたいものです!

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 舟筏路 木曽川 飛騨川 今渡ダム 川辺ダム 犬山頭首工

分水路に工事中の看板が‥‥

昨年2月、「2月19日の日本橋川…2」で、お茶の水分水路の呑口からシールドマシン発進縦坑まで、工事に入る告知があったことに触れましたが、最近になって「工事中の看板が設けられた」というのを人づてに聞き、本日用足しの道々見に行って来ました。

218051.jpg
おなじみ水道橋の下流、お茶の水分水路の呑口と、水道橋1号分水路の吐口を兼ねる、疎通口を橋上から眺めて。日中は27℃超に達した夏日でしたが、風が少し強めで冷たかったこともあり、暑さが堪えるというほどではありません。

去る2月3日にくぐったときは、冬の間に枯れて落ちたものだと思っていましたが、新緑の時季を迎えてもスダレ状になっていませんね。もしかして、最近は剪定しているのかしら? だとしたら艇の通航を考えてくれるようになったのか‥‥。イヤ、そんなことはありませんよね。流下の阻害になるものを取り除いたか、単に美観上といったところでしょう。

話が脱線しました。で、どこに看板があるかって? ホラ、よ~く見て下さい。一番上流側の径間の、さらに左‥‥。

218052.jpg
‥‥小っちゃいな。

もっとこう、工期や施工区間も併記した、ある程度の大きさのものを想像していたので、この小ささと表記のあっさり具合には驚きました。しかも、道路工事なら電柱に立て掛けるような、陸用の看板を流用(特に工夫さんがスコップで掘っている絵柄があるあたり!)したというのも、どこか力が抜けたような雰囲気が濃厚で、逆に印象深かったものです。

218053.jpgさらにズームでたぐって一枚。足場に番線か何かでくくりつけてあるのかと思ったら、ボルトを打ち金具を介した、意外としっかりとした取り付け。よく見ると、天と左右にはコーナーフェンダーが貼り付けられていて、船艇の衝突に備えてある‥‥。下端に書かれた「NODAK」なるロゴ、施工会社名(ノダック株式会社)みたいですね。

しかし、特に説明もなく、完全に通航船艇のみに向けたメッセージというあたり、えもいわれぬ(?)ものが。表向きは舟航施設でない分水路を、通航する艇(ハイ、私もその一人です)が結構あり、担当会社にもその旨都から指示が出ているような気もして、何か悪いことをしたような、妙な気持になったのでした。
撮影地点のMapion地図

(30年4月22日撮影)

にほんブログ村 マリンスポーツブログ ボートへ
にほんブログ村

タグ : 神田川 水道橋分水路 お茶の水分水路 分水路