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萬右衛門川の面影…5

(『萬右衛門川の面影…4』のつづき)

83021.jpgできれば、萬右衛門川の現存している全区間を歩いてみたいところでしたが、残念ながらその時間はありません。せめて末端部近くだけでもと、湊本町の魚市場に沿った区間を眺めてみることにしました。

道に沿って、海側に伸びる「溝渠」という文字がしっくりくるようなコレが、萬右衛門川の現在の姿。向こうに見える、古いRC橋の高欄が、わずかに歴史を物語っているようでした。

こちらも津波の被害があったところですが、道に沿って並ぶ海鮮料理店はどこも賑わっており、一見したかぎりでは、以前とそう変わらないレベルまで、復興されたように感じられました。

83022.jpgかつてはもっと幅が広く、それこそ現在道路になっている部分の大半は、水路だったのでしょう。

「運河論」の挿図を見ても、このあたりから北側の区間は、かなり幅広に表現されていました。魚市場の周辺のみ道幅が広いのは、かつての水路敷を利用したからではないでしょうか。

上の写真から少し歩き、「魚市場前」交差点を過ぎると、落差が造ってあるところを発見。「那珂川にも走っていた川蒸気」には、地図上の表現から、こちらが上流で、那珂川が下流と書いてしまいましたが、どうやら違うようです。お詫びして訂正します。

83023.jpg魚市場の北端、信号のある五叉路の近くまで来ると、河道は右に緩いカーブを描き、最末端部ももうすぐ。おっ、ここでようやく萌えられそうな古い橋が…。

ちなみに、このあたりより南の区間は水が流れていないところもあり、建物からの雑排水があるところのみ、流水が見られるような状況でした。先ほどの那珂川近くの区間も、水を湛えていたとはいえ、ほとんど流れがなかったことを考えると、どちらが上流という厳密な区別は、ないのかもしれません。

83024.jpg
勇んで橋に近づいてみると、クルマに衝突されたのか、高欄や親柱の鉄筋が露出するようなボロボロっぷりながら、間違いなく睦橋と同世代のコンクリート橋です。

高覧の開口部上端が、アーチ状の曲線を描き、中の柵のみ円柱に造られているなど、むしろ造作は凝った感じです。漁港が築造されることを考えて、玄関口にふさわしい意匠としたのでしょうか。

83025.jpg
高欄が痛めつけられているだけに、銘が残っているのか心配になりましたが、のぞき込んで無事を確認、ホッとしました。南側の親柱は、二つとも撤去されていたので、北側が壊滅していると、手がかりが失われてしまうからです。

しかし、こちらは橋名でなく「新川」と河川名が掲げられていました。う~ん、やはり萬右衛門川でなく、新川なのか。橋名は対岸の親柱に残っているかな? 
撮影地点のMapion地図

(24年1月2日撮影)

(『萬右衛門川の面影…6』につづく)

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タグ : 萬右衛門川那珂湊

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