「お供え状態」に怖気をふるった思い出

●この写真、昨年の10月18日…拙著が店頭に並んだ3日後に、三省堂の本店で撮らせていただいたものなんですが、まあ、1年あまりの時間を経ればこそ、割と冷静に眺めていられるものの、これを実見した瞬間は、嬉しさと同時に、本当にどうしようかと挙動不審になったものです、はい。
●いやもう、単独で美しく平台陳列してくださった書店さんには、感謝していることはもちろんなのですけれど、異様の感に打たれたことも否めないのです。大変失礼ながら、目にして最初の感想は「仏壇のお供えみたい」でした。
寄る辺のない通路の真ん中で、正札もなくポツリと置かれたさまは、テーブルの形も手伝って、高坏に盛った供物を連想させたのです。
●平積みされた新刊書にはつきものの、POPがないことも「お供え状態」に拍車をかけていると気づいたのは、しばらくたってから。売り場で目にするPOPは、書店員さんや版元制作のほか、著者自身によるものも少なくないことは気づいていました。
●いやでも目立たざるを得ない(笑)陳列をしてくださった、三省堂本店さんの心意気に報いるためにも、ご挨拶がてら、POPを自作して持ち込むべきだったのですが、何かマッチポンプのようで気恥しさが先だって、ついに「お供え状態」のまま、平積みの期限を迎えることとなってしまいました。まあ、とんだ小心ぶりであります。
●あるいは、この悪目立ちな(失礼)「お供え状態」が、自分の本にはどこかしっくりくる感じもして、楽しんでいる一面もあったのかもしれません。いや、「かもしれません」じゃないな。後半慣れてきた後は、もう確実にウケていました。
●ともあれ早いもので、あれから1年と2カ月がたちました。本を書かせていただいたことで、いち出不精には身に余る貴重な経験をさせていただき、慌ただしくも楽しい14ヶ月でした。
これも出版に尽力くださった皆様、またさまざまな件でお声をおかけくださった皆様、ご声援くださった皆様のお陰と、感謝の気持ちで一杯です。改めて、御礼申し上げます。ありがとうございました。

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