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日野川河口を歩く…1

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11月9日は、鳥取県は米子市におりました。あまり時間的余裕はなかったのですが、用足しの合間を見て、いくつか見て回ることができたのは幸いでした。

まず足を向けたのは、ご当地随一の大河・日野川の河口です。中国山地は三国山に端を発し、延長77km、流域面積870km²の規模を誇る川(『中国地方整備局・日野川河川事務所』に詳しい記事があります)だけあって、美保湾をバックにした河口風景もなかなか雄大。

しかしここ(西岸、米子市側)から見ると、河口を縦断する砂洲(砂嘴?)で、ほとんど閉塞してしまっているように見えますね。季節風や沿岸流の関係で、河口が巾着の口のように狭くなっている例はよくありますが、これほどとなると、天然の河口堰といってもいいような塞がりっぷりで、興味深く見入ってしまいました。

79002.jpg堤防道をさらに下って、砂嘴に近づいてみると、西岸近くを斜めに切断するように、澪筋というか吐口というか、まあ実質上の河口があるのを発見。

しかし、遠目に見ても水面には勾配がありますね。ここを出入りする地元漁船などはあるのでしょうか。海面との水位差があるなら、ここは河口近くにもかかわらず、汽水でない完全な淡水域ということになるのでしょうね。
う~ん、面白がるのははばかられますが、実に惹かれる光景ではあります。もちろん、増水などで川の力が勝れば、砂嘴は押し流されるのでしょうが。

石狩川なども、昔は冬になると、季節風による波浪で流砂が吹き寄せられ、河口が閉塞したという話を読んだことがありますし、先に訪ねた新潟の砂丘たちも、そもそもはまさに同じ原理で生じたのでしょう。ここ日野川の場合は、河口西側に伸びる、弓ヶ浜半島をかたちづくったわけですね。

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面白く砂嘴を眺めたものの、可航河川としては厳しいことこの上なさそう、これではとても船の通航は拝めまい…。などと考えながら、高水敷に下りて歩いていたら、何と、上流から機付きの小舟が下ってきたのです!

ご当地の名山、かつては北前航路の弁財船も敬意を表し、沖を通る際には帆を半ば下ろして挨拶したといわれる、伯耆大山をバックに小舟の航行姿を一枚。残念ながら、大山は半ば以上、雲に隠れていましたが…。

79004.jpg小舟はどこに向かうのか、まさか、あの狭い吐口を下って海へ? 
もしかしたら、巧みな操船技術を目の当たりにできるかしらと、よこしまな期待をしつつ見守っていたところ、小舟は取舵を切ると、西岸にある4径間の樋門へ向かってきました。

おお、樋門から向こうの川へ入るんだと、慌てて樋門のかたわらに駆け寄り、進入シーンを一枚。タイトルに掲げたのは、この一瞬前のものです。

79005.jpg堤防の上に登って、樋門をくぐった小舟を追ってみました。こちらは護岸に鋼矢板の連なる、いかにも都市河川らしい水路で、対岸にはもう一隻、和船らしい舟がもやっているのも見られました。

米子の川を訪ねて、はなから舟航シーンに出くわせるなんて、幸先よい出だしに上機嫌。もう少しうろついて、ディテールを堪能してゆきましょう。
撮影地点のMapion地図

(23年11月9日撮影)

(『日野川河口を歩く…2』につづく)

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タグ : 日野川水貫川水貫川樋門樋門

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