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新潟の水上バス…5

(『新潟の水上バス…4』のつづき)

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萬代橋西詰船着場には、屋根つきの待合所がありました。

特に陽射しの厳しいこの時季、屋根があるとなしとではだいぶ違うでしょう…と、よく見たら、奥のベンチまできっちり陽が差し込んでいる(笑)。時間帯によっては、逆にツラそうではあります。

70022.jpg着岸と同時に、若い男性の甲板員が飛び出してきて、二本のビットに素早くもやいを取り、ドアを開けてからキャビンアテンダントと二人でタラップを渡して、お客さんの送り迎え。終わるとタラップを納め、ドアを閉めてもやいを解き、船首に飛び乗って出発…。

子供たちと、見事なロープさばきにほれぼれと見入る船頭。下流の4つの船着場では、これを数分おきに繰り返すわけで、しかもこの酷暑、まったく頭が下がります。

70023.jpg船着場を出て迫りくるのは、新潟を代表する橋としてあまりにも有名な、萬代橋。この角度から見ると、バックのホテルオークラが白く輝き、石張り装飾でしっとりとした落ち着きを見せる萬代橋と好対照で、なかなかの雰囲気。

西詰には、かつて川蒸気の船着場もあり、沿岸は荷揚場として賑わっていたことが、当時の写真からも髣髴できます(『続・川蒸気のイメージを求めて』参照)。東京でいえば、両国橋あたりといったところでしょうか。

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石張りの装飾、昭和初期らしいデザインの高欄、橋脚直上に取り付けられた橋側灯と、ディテールを堪能しながらの橋くぐり。竣工当時の外観をほとんど損なっていないあたりが素晴らしい。日本橋に次いで、重要文化財に指定されたのもうなずけます。

70025.jpg上流側から眺めて。明治から昭和初期に至るまでの木造橋時代は、信濃川下流部に架かる、まさに唯一の橋であった萬代橋。

現在は全長306.9mとのことですが、木造橋時代の対岸が霞むような写真を眺め慣れていた目には、昔よりずいぶん短い感じがしました。

目の錯覚かしらと思っていたら、昔は今よりはるかに川幅が広く、初代橋は何と、780mあまりもあったとのこと(新潟市ガイド萬代橋』参照)。

当時としては、全国有数の長大橋だったのではないでしょうか。これを木造桁橋で架けたのですから、名所として絵葉書などに盛んに取り上げられたのも、うなずけますね。 
撮影地点のMapion地図


(23年8月9日撮影)

(『新潟の水上バス…6』につづく)

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タグ : 信濃川ウォーターシャトル信濃川萬代橋水上バス

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