権現堂堰のあたり…1
●5月4日は、江戸川流頭部の周辺を、陸路お散歩してきました。このあたり、古くから人の手によって、川がいじりまくられた(!)場所であり、また現在でもその痕跡がうかがい知れるところが多く、興味の尽きないところでもあります。
この附近の川で、やはり水運趣味的に興味深いのは、権現堂川と赤堀川、そして逆川がセットになった、上利根川(栗橋あたりから上流の利根川)と江戸川・中利根川(境町あたりから下流の利根川)を結んだ水路の存在でしょう。
●茨城県五霞町のMapion地図をご覧ください。五霞町の北から北東を利根川が流れていますが、これが旧赤堀川で、西から南に至る県境は、現在は権現堂川と中川に分かれていますが、かつてはすべて権現堂川でした。東側は、現在は江戸川と接していますが、これも昔はほぼ千葉県との県境に沿って、逆川と呼ばれた水路でした。つまり、上利根川と下利根川、そして江戸川は、じかに接してはいなかったのです。
舟航路の確保を主眼に、江戸初期以来(いや、それ以前からの積み重ねも、もちろんあるでしょう)近代にいたるまで長きにわたって、まさにいじられまくってきた感がありありとうかがえる川の線形。また水運の要衝として、幾多の河岸が栄えたこのあたり、可航水路としての整備が継続されていれば、第二の水郷として、美しい川景色が楽しめたに違いない…などと、妄想のオカズとしては、汲めども尽きぬものがあるわけです。
●前置きが長くなりましたが、まあ、そんな妄想とはあまり関係ないのが痛いところながら、最初に訪ねたのは幸手市、宇和田公園のあたり。良いお天気であまり風もなく、ちょっと歩くと汗ばんでくるほど。
工業団地の間を抜け、中川を渡る宇和田公園橋から下流を見ると…(↓)、少し下流に、涼しげな水音をたてる堰と、その向こうに小さな橋が見えました。

●中川といっても、艇で通ってなじんでいる下流部とは違い、流路も狭くのどかなもの。
コンクリートの護岸工がちらちら見える、緑に覆われた法面に挟まれた小さな堰がたてる水音は、離れたここまで気持ちのよい涼風を運んできます。魅力的な水門風景に、自然と足が速まりました。
【撮影地点のMapion地図】
●すでにトップ画像でもご覧に入れましたが、下流の橋から眺めると、簡素ながら可愛らしい感じのする堰で、水の落ちる涼しさもあいまって、眺めているのが楽しくなります。
この堰、名を権現堂堰、またの名を宇和田堰といって、昭和初期の中川改修事業の際に造られたものなのだとか。フカダソフトさんの「中川-幸手放水路、宇和田公園の付近」に、次項の橋や宇和田公園も含めた、素晴らしく詳しい記事が載っていますので、必見です! この記事によると、つい最近まで扉体や装置一式が備えられていたようですが、撤去されたようですね。
●堰の両岸には、四手網を沈めたおじさんが何人か陣取って、じっと水面を見つめていました。しばらくすると、網がたぐり寄せられ、中にはピチピチと跳ねる小魚が!
隣で見ていた人によると、鮎の稚魚なのだとか。すみません、魚には詳しくないので、正しいかどうかわかりませなんだ。

●そうそう、権現堂堰を間近に見られるこの橋が、また魅力的でいい橋なんですよ! 周囲のロケーションのよさも手伝っているのでしょうが、この橋には本当に、会えてよかったと思いました。
(23年5月4日撮影)
(『権現堂堰のあたり…2』につづく)

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この附近の川で、やはり水運趣味的に興味深いのは、権現堂川と赤堀川、そして逆川がセットになった、上利根川(栗橋あたりから上流の利根川)と江戸川・中利根川(境町あたりから下流の利根川)を結んだ水路の存在でしょう。
●茨城県五霞町のMapion地図をご覧ください。五霞町の北から北東を利根川が流れていますが、これが旧赤堀川で、西から南に至る県境は、現在は権現堂川と中川に分かれていますが、かつてはすべて権現堂川でした。東側は、現在は江戸川と接していますが、これも昔はほぼ千葉県との県境に沿って、逆川と呼ばれた水路でした。つまり、上利根川と下利根川、そして江戸川は、じかに接してはいなかったのです。
舟航路の確保を主眼に、江戸初期以来(いや、それ以前からの積み重ねも、もちろんあるでしょう)近代にいたるまで長きにわたって、まさにいじられまくってきた感がありありとうかがえる川の線形。また水運の要衝として、幾多の河岸が栄えたこのあたり、可航水路としての整備が継続されていれば、第二の水郷として、美しい川景色が楽しめたに違いない…などと、妄想のオカズとしては、汲めども尽きぬものがあるわけです。

工業団地の間を抜け、中川を渡る宇和田公園橋から下流を見ると…(↓)、少し下流に、涼しげな水音をたてる堰と、その向こうに小さな橋が見えました。

●中川といっても、艇で通ってなじんでいる下流部とは違い、流路も狭くのどかなもの。
コンクリートの護岸工がちらちら見える、緑に覆われた法面に挟まれた小さな堰がたてる水音は、離れたここまで気持ちのよい涼風を運んできます。魅力的な水門風景に、自然と足が速まりました。
【撮影地点のMapion地図】

この堰、名を権現堂堰、またの名を宇和田堰といって、昭和初期の中川改修事業の際に造られたものなのだとか。フカダソフトさんの「中川-幸手放水路、宇和田公園の付近」に、次項の橋や宇和田公園も含めた、素晴らしく詳しい記事が載っていますので、必見です! この記事によると、つい最近まで扉体や装置一式が備えられていたようですが、撤去されたようですね。

隣で見ていた人によると、鮎の稚魚なのだとか。すみません、魚には詳しくないので、正しいかどうかわかりませなんだ。

●そうそう、権現堂堰を間近に見られるこの橋が、また魅力的でいい橋なんですよ! 周囲のロケーションのよさも手伝っているのでしょうが、この橋には本当に、会えてよかったと思いました。
(23年5月4日撮影)
(『権現堂堰のあたり…2』につづく)

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