閘門の水位差を魚探で見てみたい

しかし、さんざん通って慣れたとはいっても、やはり閘門というだけでどこか興奮しているのか、その方面の注意が格段におろそかになり(もともと全体的におろそかではある)、実現したのがつい先日、出渠した艇を引き取りに行った帰り道、江戸川閘門でのこと。
これが荒川や扇橋閘門だと、側壁につかまらなければならず手が塞がりますから、注排水の穏やかな江戸川閘門ならイケそう、ということもあり、実行に及びました。

●上流側扉体が閉まり、排水が始まった直後の水深。3.9mか、ふむ。
水中に浮遊しているような、ナマコ形の感は何だろう…。魚がこんなにいるわけはないし、注排水で巻き上げられた泥や泡に反応しているのかしら。

●約1分後、3.6m。
GPSモニター上の速度表示に注目。他の閘門にくらべればソフトとはいえ、排水されれば流れが生じて艇が引っ張られるので、時々スロットルを倒し、前後にチョンチョンとけとばして位置を調整します。

●約2分後、3.2m。排水が止まり、下流側扉体が開き始めました。本日の水位差、0.7m。扉の開けたてまで含めた、通航時間は11分ほど。先行船がいなかったので、物足りないくらいの短時間での通航となりました。
ちなみにこの日、10月24日11時時点での芝浦の推算潮位は、A.P.+0.9m。
10数年前、まだ閘門初心者だったころは、興奮の度合いも今より高かったせいでしょう、もっと長い時間に感じられたものですが、通ってしまえば本当にあっという間です。でも楽しかった!

●ところで、例によって今ごろ気づいたのですが、「河川航行情報図」を何気なく眺めていたら、この三枚洲の水路に、何やらウス~く小さな文字が書かれている…。目を凝らしてよくよく読むと、「旧江戸川」と書いてある! ここは旧江戸川の一部だったんですね。
かつて旧江戸川河口は多くの砂洲があり、無数の澪筋を刻んで海に流れ込んでいたことは、「青べか物語」にも描写されているとおりですが、そのほとんどは埋め立てによって陸化され、澪筋も新左近川や見明川などを残して、整理されてしまいました。三枚洲水路は、その貴重な生き残りなのですね。
(22年10月24日撮影)
(『江戸川の大編隊』につづく)

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