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最強可航河川・中川散歩…1

(『中川に向かう』のつづき)

30016.jpg中川水門を振り返ると、先ほど道を譲った艇が、少し増速して突っ込んでゆくところでした。

以前も触れましたが、ここは潮時によっては結構な流速があるところなので、進入にはちょっとした覚悟(私だけ?)がいる水路でもあります。

さて、今回中川を訪ねた理由は、『「関東舟運構想」で大妄想』を読み返していて、中盤ルートのメインラインとして選ばれた中川の、それも奥部を味わってみたい欲望が湧きあがってきたことと、構想の中で言及されている幻の運河、「川藤運河」の接続点付近まで、できれば行ってみたくなったこと、の二つ。

まあ、自分の書いた記事でムラムラ来るとは、我ながら世話がない話ではあります。

このあたりを母港としている艇長さんたちはよくご存じのように、中川は東京湾に接続する大河川の中でも、有数の可航域を持つ川です。

河口から「川藤運河」の推定接続点である、吉川市の新方川合流部付近までをMapionの「キョリ測」で測ってみると、約32km。荒川の秋ヶ瀬橋までの可航域延長、34.5kmにくらべると、数字の上では、一見大したことがないように思われるかもしれません。

しかし荒川は、秋ヶ瀬取水堰で水面が分断されており、それ以上の遡航ができないわけです。対して中川は、さらに上流まで可航域が伸びている上、いくつかある支派川にまで可航域が及んでいるあたり、艇で遡上する側から見ると、ぐっと魅力的です。

そして何より、放水路として徹底的な河道改修を施され、広い川幅を持つ荒川にくらべ、中川はまだ、平野を乱流していたころの面影を随所に残して(ほとんどが直線化されたとはいえ)おり、川幅も適度な狭さがあって、内陸深く分け入ってゆく充実感は、他の川の比でないことが挙げられるでしょう。

その上、綾瀬川のように極端に低い橋が一つだけあり、上流の滞在時間が制限されるとか、江戸川のように洲が多く、澪筋の把握が難しいなどの憂いがないとくれば、これはもう、最強可航河川(!)と呼んでもいいのではないか、とさえ思えてくるのです。

長くなりましたが、その奥部まで繋留船の姿が途切れない中川には、「可航河川好き」としての血をたぎらせる魅力があるわけで、潮時はあまり良くないにもかかわらず、久しぶりにのんびりとした遡上を楽しんできました。

30017.jpg中川・上平井の両水門をくぐり、2径間のトラス橋・上平井橋に近づくと、橋詰近くではクレーン船や台船がもやって、何やら工事中の模様。護岸工事かな?

台船たちのディテールもさることながら、意識を吸い寄せられたのは、手前に繋がれていた曳船の姿。あれはもしかして…。
撮影地点のMapion地図

30018.jpg
大好きな超小型曳船、「第十六富士」じゃないか! (過去ログ『3月23日の曳船たち』ほか参照)船底は塗り替えられていますが、この特徴あるスタイル、間違えようがありません。

元気でやっているようで何より。しかし、ガンネルがずいぶん傷んでいるなあ…。もやうときには、ちゃんとフェンダーを入れてほしいものですが、やはり仕事柄、荒っぽい使い方をされるのは、致し方のないところではあります。

30019.jpg上平井橋を過ぎ、屈曲区間に入ると、以前はあった私設の桟橋や船溜がきれいに一掃され、護岸にはテラスが完成していました。なるほど、台船やクレーン船も、この工事をしていたのですね。

しかし、船溜のなくなった水面は、がらんとしてしまって、何だか寂しいものがあります。

30020.jpg平和橋の近くでは、まだ盛んに工事をしており、ご覧のとおり浚渫船も動いていました。

そうそう、この区間は浅瀬が多いから、もうまんべんなく浚ってもらえるとありがたいんだよなあ…などと、ブツブツ言いながら通り過ぎたのですが、そんなうまい話はそうそうありますまい。おそらく、テラスの工事をしている一部の区間だけで終わるのでしょう。


(22年5月2日撮影)

(『最強可航河川・中川散歩…2』につづく)

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タグ : 荒川 中川 中川水門 曳船 浚渫船 台船

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