その後の扇島閘門…1

今回は南側、与田浦の方から近づいてゆくと…、おお、大割水路側のゲートは、撤去されていなかったのですね。手前側には、真新しい配電箱のついた電柱も見えます。

●近づいてみて、納得しました。扉体や動力部分をそっくり新しいものに交換して、構造物はそのまま、再利用したのですね。
駆動部や機側操作盤のペンキも真新しく、柵もそっくり新製されて、ピカピカです。従来と違って、側面上端にアングル材をボルト固定し、その上に柵を植えているので、だいぶ表情がゴツくなったようですが。

「香北東部幹線水門」これが、扇島閘門の新しい名前です。おわかりのように、もう、閘門ではなくなってしまいました。
地名を冠した、いかにもクロに根を下ろした感じの従来名にくらべて、またずいぶんと、気宇壮大(?)な名前をつけたものですね。この名前だけ聞いたら、大水路を何径間ものゲートで横断している、大型水門を連想してしまいそうです。

まあ、今や閘門でなくなったこともあって、さすがに登る気は失せてしまっており、残されたゲートの周りをウロウロして、ディテールを検分するにとどまりました。眺められる風景は、以前と変わらないのでしょうが、エンマに片割れのゲートがないここからの風景は、もはや閘門風景ではなく、関心が薄れてしまったのです。

すでに、用水路の一水門になってしまった扇島閘門ですが、この砲金のプレートがある限り、閘門であった記憶は残るのです。片割れだけでも、かつての構造物が再利用されて、しかも閘門の名前はここに刻まれている…。それを思うと、だいぶ救われた気持ちになれました。
【撮影地点のMapion地図】
(22年5月2日撮影)
(『その後の扇島閘門…2』につづく)

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