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仲江間閘門にマイタゲート疑惑?

水郷十六島の南、利根川本流に通じる水路・仲江間を守る、古風なスライドゲート極小閘門、仲江間閘門。

一昨年に訪ねて以来、すっかり気に入ってしまい、これまで何度か訪ねては、楽しませてもらってきましたが(『仲江間閘門を通る!…1』、過去ログ『仲江間の小さな閘門…1』ほか参照)、陸路初訪したときから、「これ、何だろう?」と、引っかかっていた謎の構造物がありました。

謎の構造物については、しばらく忘れていたのですが、最近ふとしたことから、
あ。
と思い当たるところがあったのです。

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すでに、過去ログの「仲江間の小さな閘門…1」でも紹介済みの写真ですが、注釈入りで改めて。

低水位(仲江間)側のゲートを見たところです。扉体手前の両側の護岸が、妙な形になっているのがわかりますね。まるで、わざと凹部を作っているような感じです。しかも、凹部の手前3分の1くらいの位置には、四角い謎の穴が開けられているのも見えます。

一瞬、注排水のバイパス装置に関係のある穴かしら、とも思ったのですが、水面よりだいぶ上にあり、また昨年7月にサッパで通航した際、注排水は扉体を細めに開けて行なうことがわかったので、他の用途で穴を開けたことが、確実になりました。


上から見たところを、ポンチ絵に描いてみました。この謎の凹部、仲江間側だけでなく、ゲートをはさんで前後対称に造り付けられています。もう一つのゲートもまったく同様です。

単に凹部があるだけならともかく、堰柱に接したコーナーには、意味ありげな謎の丸味がつけられ、対になった謎の突起の内側は、逆に直角のコーナーになっています。謎の穴も、それぞれ一つづつ切られているのですから、やはり故あって造られた構造物だと思うのが、自然でしょう。

…で、数日前、写真を整理していて、先日紹介した北上運河のマイタゲート・大曲閘門(『北上運河閘門めぐり…3』ほか参照)の扉体を撮った写真を、なにげに開いて眺めていたとき。

あ。

あ…。

あ!

凹部にしっくり収まるモノが!


謎の丸味の正体とは、もしやこの軸受け?

ということは…

先ほどのポンチ絵に、マイタゲートの扉体を当てはめてみましょう。(閉じているところも描きたかったのですが、意外と面倒だったので開放状態のみで…。)

う~ん、これならしっくり来る! いや、これ以外は考えられない!
仲江間閘門は、かつて複式マイタゲートを備えた極小閘門だったに違いない!

謎の丸味は軸受けの取り付け部、謎の穴はゲートを開閉させるロッドの通る穴と考えれば、すべてが氷解します。上の絵では、スライドゲートをそのまま描いてしまいましたが、もちろん堰柱や扉体は後の増設部分で、マイタゲートの現役時には、存在していなかったでしょう。

そうそう、複式マイタゲートには、同じ水郷によい例があるので、妄想のよすがにと掲げておきましょう。


↑これ(横利根閘門)の異様にちっちゃいモノだと思えば、間違いありません。マイタゲートは、スライドゲートやローラーゲートとは違い、一方からの水圧にしか耐えられない構造なので、両面加重がかかる場合は、ゲートを二対設け、複式にしなければならないのです。

しかし、径間わずか3m強しかないマイタゲートが、合計八枚のかわいらしい扉体をパタパタ(そんな音はしませんが)開閉していたと考えるだけで、頭がクラクラしてきそう…。

民家密集地の「ぎっしり閘門」、径間3mに満たない「極小閘門」、珍しい「スピンドル駆動のスライドゲート閘門」…今でさえ、こんなに魅力にあふれているのに、さらに魅力を増してしまうとは!
もう仲江間閘門から、一生離れられないかもしれません。


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タグ : 仲江間閘門大曲閘門横利根閘門閘門

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