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福地運河の水門…3

(『福地運河の水門…2』のつづき)

19056.jpg雨がやや小降りになり、空も少し明るくなってきたのに勢いを得て、福地運河をさらに奥へ。いまひとつの水門を目指します。

お目当ての水門の近くには、追波川排水機場がありました。このあたりが、かつての追波川の河道を堤防で締め切った地点。排水機場の向こうは北上川。先にも触れたように、追波川の旧河道を拡幅利用した、いわば放水路です。
ここから東が、追波川分断後に開鑿された水路となるのですね。楽しみです。

19057.jpg排水機場のかたわらには、ご覧のようにいかにも仮設橋然とした雰囲気の、赤錆びた鋼桁橋がありました。

橋脚や桁はI形鋼、高欄もガードレールと、既製品を組み立てた橋だけにあまり興味が湧かず、銘板も探さずに帰ってきてしまいましたが、この橋が今回目指した水門の、絶好のビューポイントだっただけに、意識は全部そちらに持って行かれてしまっていたのでしょう。
撮影地点のMapion地図

19058.jpg
橋の上から東を望むと…うほほ!
雲に煙る紅葉した山々と、はるかに続く運河をバックに、素晴らしい水門風景が広がっていました。

しかも、初めて生で見る上端ヒンジフラップゲート(で、いんですよね?)です。堤体には潅木が生い茂り、廃水門の空気が濃厚な印象ながら、悪天候をついて来てよかったと、心洗われる思いのした眺めでした。

19059.jpg上端ヒンジフラップゲートとは、あおり戸のように、上端に備えられた軸を中心として扉体を開閉させる方式で、招き扉とも呼ばれるそうです。巻上機室など上部構造を持たず、外観がすっきりしている点はマイタゲートと同様ですね。

地図でおわかりのように、ここは排水機場の西に合流地点があるので、運河東側への逆流防止のために、この水門が造られたのでしょう。

19060.jpgこの水門、残念ながら名前はわかりません。梨ノ木水門と同じく、佐藤淳一氏のFloodgates List 11にも収録されているのですが、やはり「名称不明水門」として扱われています。

ここで気になったのが、堤体の向かって右側にある、銘板がはがれて落っこちたのでは、と思わせる四角い凹み。水面をのぞいてみても、それらしきものは見られなかったので、人の手ではがされた跡なのかもしれません。すでに用途廃止され、放置されて久しいのでしょうね。


(21年12月3日撮影)

(『福地運河の水門…4』につづく)

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タグ : 福地運河追波川上端ヒンジフラップゲート

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