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北上運河閘門めぐり…8

(『北上運河閘門めぐり…7』のつづき)

19041.jpg北側扉体の「絞車」です。おや、こちらはクランクがはめられたままですね。ケーシングはゆがみや錆が目立ち、だいぶくたびれた雰囲気です。

こちらは二台の「絞車」が並んで設けられており、二枚の扉体を一ヶ所で開閉できるようになっています。先ほども触れたように、手前の「絞車」が巻き取るワイヤーの一組は、樋を伝って対岸の扉体に導かれ、扉体の軸に取り付けられたアームを動かす仕組みです。

19042.jpg北側ゲートを、レンガの堤体とともに低い位置から狙ってみたかったのですが、雨脚はますます強く、足場も滑りやすかったので、残念ながらうまく撮れませんでした。

春先に訪れたら、満開の桜の下にたたずむ、「国内最古の洋式閘門」の誇らしげな表情が楽しめるに違いありません。


19043.jpg
石井閘門の前から、これも初めてまみえる、旧北上川。
延長およそ200km、はるか盛岡に至る大舟運路として知られた、可航河川の雄…。

かつて大型川舟・艜(ひらた)や、外輪川蒸気が上下し、殷賑を極めたこの川の第一印象は、とにかく雄大。雲の低く垂れ込める彼方に、重畳たる山並みが迫る風景は、関東の平野部では見られない川景色で、ほんのわずかな時間ではありましたが、息を呑んで立ち尽したものでした。

19044.jpg石井閘門を楽しんだ後は、併設された「北上川・運河交流館 水の洞窟」を駆け足で見学。ご覧のとおり、堤防に埋もれたような、昔の掩体壕を思わせる建物で、その上管理者の常駐しない無人の博物館(?)という、変り種の施設です。

無人だけあって、展示はモニター操作による録画のみ、もちろん、図録やパンフレット類の販売・配布はありません。雨宿りしていた人がちらほら見えたこともあって、失礼ながら、何か高級な東屋のような印象でした。

19045.jpg運河交流館前の、旧北上川河川敷には、船着場が設けられていました。2種類のポンツン桟橋を組み合わせ、入口近くのスペースには、ビットを模した腰かけもいくつか設けられています。

北上川も、岩手県北上市まで遡れば、季節限定の遊覧船(るるぶ.com北上川遊覧船)も出ているようですが、下流域のこのあたりではどうなのでしょうか、イベント的な運航でもあれば、ぜひ乗ってみたいものです。


(21年12月3日撮影)

(『福地運河の水門…1』につづく)

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タグ : 北上運河旧北上川石井閘門閘門

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