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浪花濃厚水路…12

(『超弩級最低橋? 』のつづき)

15221.jpg堂島川も佳境に入り、都心の高層ビル群が見えてきました。天気はご覧のとおりなものの、風がないおかげで水面は鏡のよう。

写真の玉江橋、田蓑橋と、おとなしい(?)桁橋を過ぎると、阪神高速環状線が北岸に寄り添う、商都ナニワの中心部に差しかかります。

15222.jpg
田蓑橋をかわしたところで、南岸にはかつての丸ビルを思わせる、「ビルヂング」と呼んであげたくなるような、戦前の匂いのするビルが。しかし、外壁は美しいものの、よく見ると明かりのついている窓は皆無、中もがらんとして、いかにも取り壊しが決まりました、と言った雰囲気…。

帰宅してから調べてみると、これは中之島ダイビルといって、大正14年竣工の、大阪の大規模オフィスビルの嚆矢で、その筋では有名なビルなのだとか。う~ん、知りませんでした。まさに丸ビルと同世代なのですね。
中ががらんどうなのもそのはず、産経ニュースの「大阪・中之島のダイビルを建て替えへ」によると、一帯の再開発が決まり、今月(11月)より解体なのだそうです。

15223.jpg渡辺橋、中之島ガーデンブリッジと過ぎ、日本銀行大阪支店の、重厚な建屋が見えてきました。
このあたりはよく本にも出ているので、もちろん実見するのは初めてですが、見慣れた風景でもあります。

よく本に出てくるといえば、この橋(↓)もそうですね。


15224.jpg
絢爛たる…と言うと大げさかもしれませんが、華やかな装飾で水の都の中心部をいろどる、昭和10年竣工の大江橋。写真がうまく撮れなかったのが残念…。
大阪市は、大正10年に都市計画事業を始めた際、同じ御堂筋を渡す土佐堀川の淀屋橋とともに、当時としては珍しいデザインコンペを行い、全国的にこの2橋についてのデザインを募ったことも、この橋の名を高めているのでしょう。当時の大阪市が、橋梁行政にいかに力を入れていたかが髣髴されるお話です。

現在では、ご覧のとおり沈下が進んでしまい、ちょっとアンバランスな感じがするのがかわいそうですが…。さんざんその手の本で写真を見ていただけに、この橋の低さについては、堂島大橋ほどの驚きはなく、気持ちにだいぶ余裕がありました(笑)。
いや、有名な古い橋をくぐるのは、もちろん嬉しくてしょうがないのですよ。写真で初めて見た時は、「この下は絶対、船ではくぐれまい」と思っていただけに、楽しさもひとしおです。

15225.jpgすり抜け時のスナップ。コンクリートアーチだけに、左右の空間に余地が少なく圧迫感はあるものの、頭上はけっこうなゆとりが。

船長さんが身を屈めていないことからも、少なくとも堂島大橋よりは、桁下高があることがうかがえます。大阪都心部での連続すり抜け、まことに悦楽のきわみ。イヤ、本当に来てよかった!
撮影地点のMapion地図


(21年9月12日撮影)

(『浪花濃厚水路…13』につづく)

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タグ : 堂島川大阪水上バス

コメント

狭い

こんばんは
大江橋はくぐれるんですね。この前見たときは、さすがにここは、船来ないと思ったのですが。
大江橋の1つ北から紅葉を撮影して、振り返った時の感想です。

Re: 狭い

>bbsawaさん
やはり、一見した印象では、船が通れるとは思えませんよね。
実際通ってみると、意外に堂島大橋より余裕がある感じでしたが。
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