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東横堀川閘門…2

(『東横堀川閘門…1』のつづき)

15161.jpg右手に伸びる閘門の操作棟は、壁面を石材張りにした、昔の駅舎を思わせるなかなか立派な建物で、街中の風景によくなじんでいます。

これで、ゲート型式がローラーゲートだったら、堰柱など上部構造の造作にも意が用いられたのでしょうが、扉体がラジアルゲートとマイタゲートでは、操作棟しかいじりようがなかった、といったところでしょうか。

東横堀川閘門を製造した会社、栗本鐵工所のサイト東横堀川水門」には、本閘門のデータや図面が掲載され、なかなか面白く読める記事なのですが、その中「水門扉形式の選定・規模」の項に、「ローラゲートは堰柱が必要で景観を損なう上に、通船時ゲートからの雫が不快である」と書かれており、大いにうなずいたものです。

別にローラーゲートが嫌いと言うわけではなく、写真に撮ったときの存在感や、扉体の保守のしやすさ、高水時の抗堪性などから見て、むしろ大好きで、興味を引かれる存在ではあるのですが、唯一、閘門のゲートとしたときの、あの扉体から降ってくる水たれは、艇に乗る側から見ると、実に困りもの。
次に東京近辺に閘門を造るときは、ぜひ大阪を見習って、ご一考いただきたいものですねえ…。

で、眼前に控える次なるご馳走、マイタゲートですが。
船長さんによると、「今日は水位差があまりないので、すぐ開いちゃいますね」とのことでしたが、マイタゲートを船で通るのは初めてなので、楽しみにして来たのです。

…あっ、開き始めた!

15162.jpg
扉体が二つに割れて…。
開く。

15163.jpg
ひらく!

15164.jpgいや~、ローラーゲートと違って、派手な水しぶきを上げるでもなく、ゆるゆると水面に渦を作るくらいで、ひたすら地味なのですが…。観音開きの扉がひらくのって、「開いた」という実感がすごく深いことに気づかされました。

閘門バカの憧れ、マイタゲート(しかも最新型で、大径間の!)のある街、大阪! もうそれだけで、全てが輝いて見える…。

15165.jpgおまけ。
船が側壁にもやっていたとき、ふと横の階段を見ると、ざぶり、ざぶりと襲い来る船の引き波を 身を硬くしてやり過ごしていたカニさんの姿が。

神田川・日本橋川でも、水質が向上するにつれて、カニの姿を見かけることが多くなりましたが、こちら大阪でも同様のようですね。


(21年9月12日撮影)

(『浪花濃厚水路…4』につづく)

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タグ : 東横堀川閘門東横堀川閘門

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