三十石舟の宿・月見館…1

(『平戸樋門』のつづき)

15111.jpg平戸樋門から、宇治川の堤防道をてくてく上流側に歩き、観月橋をくぐってふたたび堤防の上に出ると…、目指す割烹旅館、月見館の建物が見えてきました。

水運趣味的なモノを訪ね歩く中で、なにゆえ旅館に立ち寄るのかと申しますと…、まあ、動機は例によってよこしまです。


15112.jpg以前、旧ブログでも触れましたが、あらためて説明すると…。

月刊「舵」の旧号、86年7月号(右写真)の特集記事「淀川をゆく」を読んでいたら、月見館所有の屋形船が年数回、淀川下流まで下ってくること、月見館のオーナーさんに水先案内を務めてもらい、遡上限界点に挑戦することなどが書かれていました。

遡航も困難な上流部で、舟遊びをさせる旅館があることに驚き、早速月見館のサイトを拝見すると、淀川舟運の史料を展示した資料室があり、三十石舟の実物も展示されている! これはぜひ訪ねてみたいものだと、機会を狙っていたのです。

15113.jpgそしてこの度の機会到来。見たいものが多いので、行程のどこに組み入れるか、ずいぶん悩みました。泊まってもよかったのですが、都合で宿は別にとることになったので、夕食のみのコースを予約。

前庭の玉砂利はきれいに掃き清められ、これもよく手入れされた植え込みの木々に、見え隠れする月見館の建物は、羽目板の木目も美しく、風格満点。
入口の左側には…。
撮影地点のMapion地図

15114.jpg
実物の和舟が! 
長さ10数mあまり、幅は1.5mほどあるでしょうか、大きさから見て、三十石舟ではありませんでしたが、棚板(側板)二階造りの扁平な船型からは、本物の川舟の匂いが感じられます。

台座の横木が、なぜか棚板を貫通する形になっていたのが残念ではありましたが、復元などではない、実際に使われていたもの特有の迫力がありました。小屋がけも立派で、月見館のシンボルとして、大切にされていることがうかがえますね。

15115.jpg船尾、舵の座周りのディテール。川船独特の、深さより幅が長い舵の羽板、舵身木(舵軸)がはまる床梁の手前側には、艪の支点となるログイが突き出ているのも見られます。

舟の大きさにくらべて、舵の羽板が小さすぎ、また舵柄も短いように思えましたが、久しぶりにみる純和船、しかも川舟の姿を目にできたのが嬉しく、月見館の心意気が伝わってくるようでした。


(21年9月11日撮影)

(『三十石舟の宿・月見館…2』につづく)

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タグ : 月見館 三十石舟 宇治川

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