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三栖洗堰

(『三栖閘門…3』のつづき)

15101.jpg三栖閘門とコンビを組む治水施設、三栖洗堰も見てみましょう。こちらは閘門と異なり、現役で稼働している水門です。

濠川から見た第一印象は、関宿水閘門(過去ログより写真…水門閘門)に似た雰囲気だなあ、ということ。関宿が昭和2年、三栖が同3年竣工と、世代が近いこともあるでしょう。
加えて、大河川を内陸深く遡った場所に位置し、閘門を併設しているあたりも、境遇が似かよっており、内陸水運の近代化に貢献したという意味でも、関宿と三栖は、東西のカウンターパートと言ってよいように思えました。

15102.jpg
宇治川方、表側を見たところ。左端の開放されたゲートから、水が渦を巻いて、轟々と流れ下っているのが見られました。

扉体は…キャンバー付きではなかったものの、中央にふくらみを持たせた三面構成。ゲート型式は閘門同様、ストーニーゲートだったのですが、平成2年の改修で巻上機を電動化するとともに、ローラーゲートに改造されたとのこと。扉体もその際、新製されたのですが、わざわざリベット継手構造とし、往年のスタイルを崩さないようにしたのだとか。さすが。

15103.jpg水の流れ下ったその先は、言うまでもなく宇治川なのですが、この水位差は本当に凄い…。

かつては、濠川とさほど変わらない水面高だったとは、にわかに信じがたい落差があります。この後にも、宇治川の水位低下についての話題が出て、考えさせられることになるのですが、この様子をあらかじめ見ておかなかったら、どれほどの低下ぶりだったか、ピンと来なかったことでしょう。
撮影地点のMapion地図

15104.jpg濠川の上流側に出て、閘門に戻ろうとしたら…さっき船頭さんが言ったとおり、子供たちが泳いでいる!
洗堰から吐き出される水流の猛烈さを、見てきたばかりだったので、わずか100mほどしか離れていないあそこに吸い込まれでもしたらと、肝を冷やしました。

しかし、子供たちの嬉しそうなこと! 伏見の少年たちにとって、濠川は腕白放題のできる、母なる川なのでしょうね。京都市内にもかかわらず、こんなのどかな風景を見られるなんて…。伏見はきっと、住みよいところに違いありません。

15105.jpgふたたび閘室の船着場から十石舟に乗り、濠川を戻ります。
美しい河畔道が整備された、魚影濃い舟航水路、古典味あふれる閘門に水門、そして子供たち…。小さな面積に、見どころがぎっしり詰まった小水郷・伏見、また訪ねてみたくなる街でした。

短い散策の後は、またまた京阪電車のお世話になり、お隣の観月橋へと急ぎます。本日最後の訪問先は、これも以前から気になっていた三十石舟の宿、月見館!


(21年9月11日撮影)

(『平戸樋門』につづく)

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タグ : 三栖洗堰濠川宇治川

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