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三栖閘門…3

(『三栖閘門…2』のつづき)

15096.jpg濠川方ゲートを仰いで。

名古屋の松重閘門(過去ログ名古屋の閘門…12参照)とは、竣工年代も近く、ゲート型式は同じ、規模もよく似ており兄弟のような関係ですが、塔屋のデザインは対照的ですね。
装飾が施されていることは同様ながら、松重閘門の西洋宮殿を思わせる重厚さを見ると、三栖閘門はずいぶんあっさりした造作に感じられます。

15097.jpg同じく濠川方ゲート。扉体の下に水面があると、周囲の雰囲気もぐっと生き生きして見えるから不思議です。この角度から眺めると、現役時代を思わせますね。

資料館に掲げられていた、竣工間もないころの写真を見ると、両方のゲートが開放されているところが写されていました。当時の宇治川と濠川は、今よりずっと水位差が少なく、状況によっては、開放状態で通船できたのでしょう。

15098.jpg
扉体のアップ。キャンバーはもちろんイイ感じなのですが、赤く塗り上げられた扉体の、視神経に染み渡るような快さ…。

下端近くに渡された山形の樋は、下を通る船舶への水たれが、少なくなるように配慮されたもの。このような上下式ゲートの閘門には、必須の設備と言えるでしょう。

15099.jpg隣接する伏見港公園には、宇治川側ゲートから取り外された、巻上機一式が記念物として安置されていました。

左側に見える、角パイプ組みの上屋みたいなものは、ゲートに設置されていた際の、塔屋の位置を表現したものです。


15100.jpg電動機から伸びるシャフトの位置から察して、ケーシング内の歯車はウォームギヤでしょう。これが件のゴツいチェーンを、これまた豪気なスプロケットで、ゴリンゴリン巻き取っていたわけだ…。

巻き取られたチェーンの余分は、塔屋の中へ送り込まれ、先っぽは…カウンターウェイトか何かがついていたにせよ、塔の中でブラブラさせていたのかしら? そのあたりの仕組みも、見てみたかったですねえ。


(21年9月11日撮影)

(『三栖洗堰』につづく)

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タグ : 三栖閘門閘門

コメント

No title

いかにも。
カウンターウェイト、塔内にぶら下がってるっぽいですねー。

Re: No title

>jsato@floodgatesさん
穴明き銭みたいなモノを重ねていたのか、それとも鋳鉄の釣り鐘みたいな分銅か…。
想像するだに楽しいですね。
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