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三栖閘門…1

(『伏見十石舟…3』のつづき)

15086.jpg約10分ほどの船行きで、三栖閘門に到着。以前は、記念物として保存されつつも、閘室は水が抜かれた状態だったのですが、再整備により船着場が設けられ、ふたたび閘室に水が入るようになりました。

著名な土木記念物であり、すでに各所で取り上げられているので、詳細は三栖閘門資料館のHPをご覧いただきたいのですが、以前訪ねた、名古屋の松重閘門(過去ログ名古屋の閘門…12参照)と同じゲート型式で、外観もよく似た雰囲気ということに惹かれ、一度訪ねてみたかったのです。

15087.jpgもはや動くことのない、静態保存の閘門とはいえ、水を張った閘室内は雰囲気充分。

太い木製のフェンダーが組みつけられた側壁に、大阪湾から琵琶湖まで打通していた、京阪間の大水運時代を彷彿、一人コーフン。この閘室内に、備前系の高瀬舟やマルコブネが、ぎっしり詰まって通航した時代も、あったんだろうなあ…。

15088.jpg閘室に設けられた船着場は、オーニングの日除けまで備えた立派なもの。
「15分後に帰りの船が出ますから、それまでゆっくり見学していってください」と船頭さん。エッ、わずか15分後…。

こりゃいかんと、慌てて舟を降り、まずは三栖閘門資料館へ。


15089.jpg資料館は、旧操作室を改築して、史料の展示棟としたものです。

期待した図録などの販売はなかったのですが、模型や展示物はなかなか立派で、小粒ながら見ごたえがありました。十石舟での見学者には、職員の方から詳しい説明を聞くことができます。

15090.jpg
資料館の見学もそこそこに(ごめんなさい)、表に飛び出して土手を駆け降り、宇治川方のゲートを観賞。濠川方より、扉体の天地が3割増し程度高く、堂々として見えます。スキンプレートにキャンバー(湾曲)がつけられているあたり、現代のゲートとは違った、古典味がありますね。

おや? ここで気づいたのですが、扉体のスキンプレートは、両方とも外側を向いているんですね。普通なら、水位の高い方、ここで言えば濠川に向けて揃えるのですが、やはり、宇治川の増水に備えて、この構造がとられたのでしょうか。
撮影地点のMapion地図

(21年9月11日撮影)

(『三栖閘門…2』につづく)

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タグ : 三栖閘門宇治川濠川閘門

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