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茂森橋哀歌…2

(『茂森橋哀歌…1』のつづき)

16041.jpg高欄の惨状を真横から。巻いた番線自体が錆崩れて消え失せ、錆垂れだけが痛ましい痕を残している部分も散見されます。

イヤ、作業をしてくださった方には失礼ですが、もうちょっとマシな手当ての仕方はなかったものかと、考え込んでしまう…。


16042.jpg下流側の高欄を、西側から見たところ。

小さな橋と言えど、いやしくも都道475号線、葛西橋通りを渡す、しかも齢80になんなんとする、歴史ある橋。
しつこいようですが、番線をまいて済ませた補修と言うのは初めて見ますし、公共物の補修法としては、信じられないガサツさです。
…ハッ、もしかしたら、惨状を見るに見かねた一般の人が、素人なりに手当てをしたのでは…。だとすると、考えもののバッチ当てなどではなく、一転、いい話になるのですが。

16043.jpg親柱の銘板は、石板に彫ったものでしょうか、ご覧のとおりなかなか重厚ですね。

不等沈下して傾こうが、高欄がひび割れて崩れかけようが、震災復興橋の矜持、ここにあり!
…と、ちょっと大げさですが、愛しの茂森橋のためなら、そのぐらいの見得は、代わりに切ってやりたい気分です。


16044.jpg
下流側からの眺め。視点によるものかもしれませんが、上流側より沈下量が少ないようにも見えました。

高々と持ち上げられつつ、眼前を渡る二本の水管。こちらもずいぶん古びていて、見方によっては味わい深くもあるのですが、上部構造のない茂森橋にとって、目の高さを遮る管は、やはり、少々酷に感じられたものです。
撮影地点のMapion地図

16045.jpg最後に、すり抜け時のスナップを。

鋼桁の中央にあるこれ、旧銘板で間違いありますまいが、腐食の仕方が薄い鉄板そのもの。銘板は真鍮などで作られるのが普通ですから、本来のものは、戦後のどさくさか何かに、盗難の憂き目にあったのかもしれません。

…とまあ、たかが一小橋梁に、ずいぶん入れあげたものですが、単に「最低橋をすり抜けてみたい!」という挑戦から始まった、茂森橋との付き合い、判官びいきも手伝って、どんどん濃くなっていきそうな予感が。
貴重な「鋼桁橋のラーメン橋台橋」の、数少ない生き残り。願わくば、架け替えられることなく、できるだけ命永らえてほしい…、正直そんな気持ちです。


(21年9月20日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 茂森橋最低橋大横川江東内部河川

コメント

No title

こんにちわ。
どっぷりと茂森橋にハマっていますね。
実は、私は茂森橋の近く(徒歩3分)に住んでいます。
私も大栄橋を渡りながら、水位の高い時は、「ありえないほどの浸かりっぷり」に、ついつい見入ってしまいます。
(桁下が完全に水面下になっていた事もあります)
意識していませんでしたが歴史ある橋なのですね。
江東運河地帯・・・・奥が深いです。

Re: No title

>木場在住の大阪人さん
いやもう、肩まで浸かっております!
すぐお近くにお住まいなのですね、橋たちの日常の姿、よくご存知と思います。

> (桁下が完全に水面下になっていた事もあります)
潮位によっては、そうなるだろうと思っていましたが、実際にお話をうかがうと、やはり哀れを禁じえませんね…。
先日、大阪の水路を訪ねましたが、茂森橋に劣らない低い橋がいくつもあるのを拝見し、大阪の方には大変失礼ながら、萌えてしまいました(笑)。水に沈みつつもがんばっている姿に、何か健気な感じがして、惹かれるのかもしれません。
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