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11月13日の有明南運河

(『「もがみ」型護衛艦来航…5』のつづき)

289026.jpg新鋭護衛艦を眺めに防波堤の内側へ入ったついでと、現在は内水面となった有明南運河の風景も少し。一昨年9月に訪ねた折は曇り空でしたから、晴天下の景色を記録しておきたくなったのです。

まずはターミナルの本屋を間近から仰いで。湾曲した屋根を、青空をバックに見上げるのはなかなか爽快な気分です。

289027.jpg水面に白亜の倒立像を映す、船の科学館本館も。平成23年9月に休館してから、早や11年‥‥。再開の声はいまだに聞こえてきません。

宗谷は運河の対岸に移動、ターミナルに至る道路も架橋されと、周りもずいぶん変化しましたが、本館の威風堂々たる巨船に擬した姿が変わらないだけに、なおさらもの悲しいものが。何とかならないものですかねえ。


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でまあ、一昨年9月同様、「宗谷」に吸い寄せられるお約束の展開に。か細い朝の陽射しとはいえ、陽光があるとなしとでは大違い。船体のオレンジが映えてキレイですね。

舷外に大きく張り出したヘリ甲板と、まろやかな船尾から水面に向かって深々と突き刺さるアイスホーンが、「宗谷」のおいどならではのチャームポイントでしょうか?

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幾多の改造を経て変貌を重ねながらも、船殻や上甲板のラインには戦前竣工のフネならではの香気が濃厚に。

昭和38年、南極観測の任を解かれ、巡視船として北洋の警備救難に就いてからの様子を、作家の北杜夫が同乗取材して書いた随筆を読んだことがあります。それによれば、オホーツク海の氷でもものによっては難航することがあり、何度もラミングしたり、氷塊に閉じ込められて進退もままならず、ヒーリングで氷を割ったこともあったとか。

日本近海でも、海象によってはこれほどの苦境におちいることもあった本船、桁違いに厳しい南極の氷海での辛苦たるや、想像するだに余りあるものがありますね。

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水際のテラスにできるだけ寄せ、船首側からの全容を収めたかったのですが、近寄り過ぎたのが仇になって、何とも中途半端な一枚に。それでも舷側に見られるリベットだらけの継手や、舷窓の塞いだ盲蓋など改造の痕を眺めて、楽しいひとときを過ごしたものです。

テラスでお散歩中の人たちは、異様な行動をする不審船の接近に驚いたのでしょう、足を止めてじっくり観察されてしまい、ちょっと恥ずかしかったですが‥‥。
撮影地点のMapion地図

(令和4年11月13日撮影)

(「11月13日のフネブネ」につづく)

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タグ : 有明南運河