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「Scrubbis」で船底清掃!

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船底に付着するノリや貝類が、木っ端ブネを養う身にとって悩みの種なのは、これまでもたびたびお話ししたとおり。付着物による抵抗と重さでスピードが出なくなり、燃料消費も悪化するしといいことがありません。繋留保管艇の宿命でもあります。

付着を防ぐ方法は、まめに動かして剥離を促すくらいしかなく、出航間隔が空けばてきめんに付着が進み、上架→船底清掃のお世話になってきたわけです。以前から、自分である程度の手入れができれば、上架のインターバルが延ばせるのに‥‥と思っていました。

よい道具はないかしらと、探すともなく鼻をきかせていたら、ようやく最近になって「Scrubbis」(読みは『スクラビス』でいいのかな?)なる船底清掃具があることに気づかされたわけです。

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さっそく母港のボートサービスにお願いしたところ、思ったよりも早く入荷のお知らせが。受け取ってみると、頑丈なブリスターパックのパッケージで、パーツや取説が梱包のままでも眺められる、楽しげな雰囲気のものでした。

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以下取説のイラストで、他力本願でごめんなさい。このScrubbis(←リンクはオフィシャルサイト)、船底を清掃するためのワイパーみたいなツール、といっていいでしょう。

幅40cm、径9.5cmの円筒形をした、多孔質ゴムらしいヘッドの4つの凸部と、スリットに刺さったハードスクレーパー(アクリル板かな?)で、船底に付着した藻類や、成長する前のフジツボなどを、船底塗装を傷つけずに搔き取るというもの。

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使用法は図のとおり単純明快です。桟橋や艇上から、水線下の船底めがけて「Scrubbis」を突っ込むと、ヘッド自身が2kgのプラス浮力を持っているので、ほどよい圧で船底に密着し、軽い力で清掃ができるのだそう。

下のチェックボックスにも図示されていますが、成長して大きくなったフジツボ群には構造上不向きで、使わないように注意されています。そういったハードな敵(?)には、リンク先にありますが別売りの「グルーヴィーヘッド」なる、人工芝のようなブラシのヘッドが適しているのだそうです。

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ちなみにこの製品、原産国はスウェーデン。海事に関心がある目からすると、小規模ながら、オリジナリティあふれた独自開発の艦艇を擁するスウェーデン海軍、各国で採用されている兵器メーカーのボフォースがまず思い出されます。

きっと国民の海事への関心も深いとか、こういった製品が生まれる土壌がいかにもありそうな感じがしますよね。あ、家具量販店ブランドとして知られるイケアも、スウェーデンが本拠でしたっけ。

286066.jpgさっそく組み立ててみました。海外製品特有の、各部の組み付けがいまいちしっくりこない(失礼)ところはありましたが、特に道具も用いず、短時間で組み立てることができました。

ポ-ルは軽量なアルミ製のパイプで3ピース、手元の部分は伸縮式で、ひねると締まり固定する構造です。伸ばしたときの長さが3.2m、21ft艇の船底の幅を考えれば、まず十分な長さですね。

ポールの接続部は穴が開けられており、いわゆるボールロックピンをバチンと挿入して固定するのですが、何かの拍子に落ちて外れてしまわないか、ちょっと不安が‥‥。

「Scrubbis」ユーザーである同じ桟橋の先輩オーナーは、径がぴったりのボルト/ナットでしっかり締めた方がよいと、アドバイスしてくださいました。やはり同じ不安を感じていたようです。


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さっそく使ってみましょう! 我が艇の船底形状は、単純なストレートV型ですから特に問題はないはずですが、両舷一条づつストレーキの突起があるので、引っかかってしまわないかな、と心配になりました。

艇上からのぞき込みつつ往復させると、ゴーリ、ゴーリという感触とともに、はがれたノリが煙のように水面へ湧き上がってきます。気持ちいいですね! 確かにストレーキの引っかかりはあるのですが、ゆっくりと押し引きすれば、乗り越えてゆく感じ。

艇上と桟橋から作業してみてわかったのは、キールライン‥‥船底中央をヘッドが越えないよう、注意すべきだということ。ヘッド自身の浮力で密着させるので、"稜線"を越えてしまうと、反対舷側へ浮き上がろうとするため、抜けなくなってしまうからです。

そろそろと横へ移動させて、船尾から浮上させ救出しましたが、ポールは軽量なだけに左右に変な力をかけると、ボキッといってしまいそうな不安も感じられたものです。もっとも、初回でこういった勘所を押さえられたのは、幸いだったというべきでしょう。

286068.jpgそして、初日にして早くも失敗が‥‥。
エンジンクランプの水線下は、カラスガイが好む場所らしく早くも群生が認められたので、ここも掃除してやれと突っ込んでみると‥‥あらら、クランプの凹部に引っかかって、ヘッドの突起が欠けてしまいました(泣)。

浮力で密着するのですから、凹凸の大きい、引っかかりやすいところはNGでしたね。さらに成長した貝類は避けるよう説明があったのに、従わなかったのですから自業自得であります。むしろ欠損が角近くのほんの一部で済んで、何よりではありました。



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もう一つの勘所は、常に船底の摺動面とヘッドが並行になるよう、つまりポールは舷側に対し直角であるよう、姿勢をキープすること。ヘッドの浮力で、手前側へすんなり戻ってくるよう力加減と気配りをするのが、正しい使用法だということです。

冒頭の写真にある船首のような、曲面を有してしかも先すぼまりだと、ヘッドが浮力でテーパーのついた方に連れてゆかれ、手前に戻ってこないばかりか、ポールに横方向の無理な力がかかり、極端な場合折れる可能性も考えられるからです。

また、使用後はボールロックピンを抜いて(予備は同梱されていないので、水面に落とさないようご注意)分解し、パイプの中にも水が入るので、中までよく真水で洗浄し、乾燥させてから収納した方がよいでしょう。

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「Scrubbis」で清掃した効果のほどは‥‥といい切ってしまってよいのかは、皆さんのご判断におまかせするとして‥‥。使ってみた翌々週、25日に恒例の東雲運河トライアルに及んでみたところ、な何んと、過去最高速・28.67ktに迫る、52km/h‥‥28ktを叩き出しました!

7月半ばに上架・船底塗装してからまだそう経っていないこと、大干潮時の流速も手伝っているので、あまりいい立てるのは少々大げさかもしれませんが‥‥。軽やかな船足に、確かな手ごたえを感じたものです!

ともあれ、自分の手で水線下まで可愛がってやれることは、他に代えがたい充実感があり、帰港後のメンテがますます楽しみになったことではありました。

(令和4年9月11・25日撮影)

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