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久しぶりの臨検!

286001.jpg今回は順不同で垂れ流させていただきます。9月11日は母港での用足しついでに、午前中のみの軽いお散歩へ。あいにくの曇りがちな空模様ながら、お船見を楽しんできました。

東雲運河から港内へ出て面舵を切り、屋形船の航跡に入って西航を始めたときのこと。あっ、あれは‥‥。
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本船が出港しようとしている!
まだ微速で距離もありましたから、最初は気づかなかったものの、対岸のビル群と見くらべて、行き足があることがわかりました。

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う~ん、どうしょうか。あまり近づくのはもちろんはばかられるけれど、せっかくの機会だし、少しでも絵になるポジションで堪能したいもの。

少し考えてから、よし、と取舵に当てスロットルを押し込みプレーニング。レインボーブリッジの東側主塔の南へ先行し、くぐってくるのを待つことに。幸い風は東から北で水面はまあまあ穏やか、気持ちよく飛ばして先回り。

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このあたりでいいでしょう。十分余裕をもって本船を迎えることができました。船首をほぼ南へ向け、最微速で流しながらさっそくパシャパシャ。

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船橋が主塔を過ぎたところで一枚。曇り空なのでいま一つサエませんが、悠揚迫らぬ航進ぶりが眺められて、嬉しいこと。

特徴ある船影とファンネルマーク、みなさんご存じでしょう。JAMSTECの学術研究船、「白鳳丸」です。平成元年竣工、4,073総t、全長100mの威容。

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船首周りをズームでたぐりアップ。出港時の保安部署に就いた乗り組みさんたちの姿に、緊張感がうかがえます。水線近くに見える、バルバスバウやスラスターの表記も、本船らしさを盛り上げていいですね。

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だいぶ南へ流れてきたので、行き足を止めて引き続き眺めていると、巡視艇が東岸寄りを北上してきました。東京海上保安部の20m型、「ゆめかぜ」です。グレー塗装の艇は今や珍しいですね。

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「ゆめかぜ」は我が艇の正横を直進、そのまま遠ざかるのかと思って、軽く手を振ったら‥‥向こうの「白鳳丸」と重なったあたりで減速、船首波が急に低くなりました。

甲板室の中から、乗り組みさんのお一人が双眼鏡でこちらを見ていたし、行き足を落としたし‥‥ぐふふ、これは期待していいんですか?

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おおおお、面舵いっぱい! 同時にスピーカーで
「はーいすみませーん、近づきまーす!」

き ま し た よ (喜)。

フェンダーをすべて降ろし、ボートフックを引き出して構えと、まあ普段と違って体がテキパキと俊敏に動くこと。接舷準備を万端に整えてお出迎えさせていただきますですよ!

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船首に陣取った保安官の方と、「何なさってたんですか」「あの本船撮ってたんです」など軽い応酬の後、もうお一人がタモ網を繰り出してきたので、心得たとばかり「あ、免許と船検証ですね!」と応じて網の中のバッグに投入と、もう臨検プロセスがサクサクと進みまくり。

免許・船検証の検分中は、出港・帰港時刻、普段の乗船人数、行動範囲ほかご下問があったので、もう小学生のように大きな声でハキハキとお答え。一段落ついたところで海保船艇ファンであることを切り出すと、「このフネももう古いですからねえ」「ウチの管内でグレーのはもうこれだけなんですよ」と、嬉しいことに話に乗ってくださいました。

これなら少し踏み込んでも大丈夫かしら‥‥と、修理時に上架する造船所のことをうかがったり、青海の保安部桟橋で船艇見物をするときは、出港艇が予告なく後進で離桟するので注意するように、などなど、短いながら充実したひとときを過ごさせてもらい、臨検され冥利(?)につきるものが。

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いやしかし、こんな目と鼻の先で、巡視艇の船体を目の当たりにすることなど、めったにないこと。防舷材を固縛する(かな?)ハンドレール、溶接の盛り上がったビード、舷側と船首材の境目がはっきり見て取れますね。船体色や船底色の質感の違い、喫水表記の抜き文字が渋い‥‥普段ならまず目にできないディテールに、ほんの一瞬ながらみとれる思い。

建造所は石原造船所、平成6年竣工だそうですから、確かにもうベテランといってよい船齢ですね。しかし同型艇は30年に渡ってまだ建造されているのですから、ロングセラー艇とでもいうべきでしょうか。

あ、いま気づいたのですが、鋼製艇に臨検されるのって、平成3年、「初めて臨検されたときの思い出」で書いたあの件以来かも! 東京に来てからの2回は、FRPの監視取締艇でしたからね。

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ふたたびタモ網が繰り出されて、免許と船検証が返却され、楽しいひとときは終わりをつけました。お名残り惜しいですが、これで古豪(?)艇「ゆめかぜ」ともお別れ。

お疲れさまでした、ありがとうございましたとお礼を言上し手を振ると、「ゆめかぜ」は後進で離脱、爆音を高めて春海運河へ去ってゆきました。

いや~、やはり鋼製艇はいいですね! これで船検証不携帯など違反があれば、初めての臨検時みたいに艇内へ入れたのに‥‥などと、実に不謹慎な妄想を抱いたりもしつつ、後ろ姿を見送ったのでありました。「ゆめかぜ」乗り組みの皆様、ありがとうございました!
撮影地点のMapion地図

(令和4年9月11日撮影)

(『9月11日の官船たち』につづく)

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タグ : 巡視艇東京港