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後楽橋の改修工事

(『8月11日の墨田川造船辰巳』のつづき)

285016.jpgこの日は定番の神田川~日本橋川の一周コースをお散歩してきたのですが、道中で特記すべきことといえば、後楽橋が塗装をはがした状態で姿を現わしたこと。

改修工事はだいぶ前から取りかかっていましたが、塗装を剥離させた段階で養生が撤去され、生地があらわになった姿を目にできるのは珍しく、くぐりながら興味深く拝見したのでした。


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従来の塗膜はサンドブラストでしょうか、きれいに取り除かれて、一面錆色の構造が頭上に広がっていました。継手の段差からリベットまで、ディテールがシャープに眺められて、とても新鮮。

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塗膜がはがされた貴重な状態の記録も兼ねて、今まで触れてこなかった部分を一つ。ブレてしまったのが痛いですが‥‥。
赤矢印の先、道床板に穴が開き、縁がめくれ返ったところが見えますね。これ、戦時中の空襲時に機銃弾が貫通した痕とされているもの。「機銃掃射痕」として各所でも取り上げられているので、ご存じの方も多いでしょう。

この橋にかぎらず、「機銃掃射痕」とされている痕跡が残る構造物は都内にも多くありますが、いつ、何から発射された、どんな弾が貫通したものなのか、研究も進んでいるのでそろそろ解明できそうな気がするのですが、いかがでしょう。例えば米軍機からではなく、自軍の砲や機体から発射された流れ弾や、炸裂した高射砲弾の弾片という可能性はないでしょうか?

285019.jpgくぐって上流側から。歩道部分は道床も取り去られ、陽が差し込んでいますね。

検索したところ、「後楽橋補修補強工事概要」(PDF)がヒット。図示されている工事箇所によると、短かった親柱が復元(?かどうかは不明)され、アーチ中央には今までなかった、橋側灯も設けられるとのこと。竣工時はあったのかもしれませんが、現在は見当たらないので、新設ということになりますね。

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橋の規模としては小なりといえ、改修と同時に復元的なこころみがなされるあたり、聖橋並みの扱いといってもいい過ぎでないように感じられ、竣工が楽しみになってきました。

かつての改修手法とは違う、オリジナルを活かした形でリニューアルされる古豪橋がまた現れたわけで、川面から橋を見上げて楽しむ者としては、嬉しいかぎり。現存しているもの全てに、とはいかないまでも、この恩恵をできるだけ多くの橋に波及させていただきたいものです。
撮影地点のMapion地図

(令和4年8月11日撮影)

(『8月11日のフネブネ』につづく)

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タグ : 神田川橋の裏側