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新川橋閘門跡を訪ねて…1

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ホンモノのGoogleマップで大野川・新川橋を表示

7月9日は、コロナ禍で延期となっていた業界の集まりが、金沢市で3年ぶりに開催されるのを幸い、以前から気になっていた大野川は新川橋にある、閘門の跡を訪ねてきました。

大野川は、内灘砂丘の内側に広がる潟湖、河北潟から南西方向に伸びる河川ですが、例によってGoogleマップ上を徘徊していたところ、橋の下から流路方向に横たわるいかにも閘室臭のする構造物を見つけ、色めきだったもの。発見(というのもおこがましいですが)したのは、開田橋閘門と同時期だったでしょうか。

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県道8号線を湊三丁目交差点で左に外れると、両側の風景は一転して倉庫や工場、ガスタンクといった工業地帯の雰囲気濃厚な眺めに。新川橋は、その道が少し西に曲がった、蔦の生い茂るいかにも地先感あふれる場所にありました。標識も見えているように、車道はここで行き止まり。

かつてはクルマも通行できたのですが、橋の老朽化により重量制限が生じたのでしょう、ガードレールで厳重に幅員が狭められ、人とバイク程度しか通れないようになっていました。

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橋詰からズームでたぐって。中高に反った路面の向こうに、青銅葺きの重厚なお寺さんの屋根が望める、静かで風情のある第一印象。大野川の北岸はこちら南岸と異なり、細い道の入り組んだ歴史のありそうな住宅地です。

両側にあるガードレールと高欄の間は、一見歩道に見えますがそうではなく、クルマが通行できないよう、純粋に幅員を狭めるためのもので、完全に囲われています。老朽化した高欄に寄りかからないようにという、配慮もあるのでしょう。

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その厳重に備えられたガードレールを乗り越えて(ごめんなさい)のぞき込み、さて、待ちかねた閘門跡とのご対面です!

Googleマップでも推測できたように、ゲート型式はマイタゲートで間違いなさそうですね。周辺機器は取り去られてしまっているので、フラットな構造物に穴や切り欠き、溝がディテールとして観察できるだけですが、往時の姿を妄想するには十分な情報量です。

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閘室下流側の北側面、マイタゲートの戸袋部アップ。戸袋中央側面、水線付近に開いた四角い穴はゲートを押し引きするロッドかラックの通る開口、その直上の五角形に近い形の竪穴には、何らかのケーシングがかぶさり、モーターなどの駆動装置を収めていたのでしょうか。

ここから眺めたかぎりでは、植えられたボルトや穴など、何かを固定した痕跡が見当たりませんね。単にコンクリートの肌が荒いので、判別できないだけかしら。

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同じ部分を少し北側から。こちらも手前側面に戸袋があるので、水門径間もマイタゲートであったことがわかります。平時は河北潟への海水の遡上を防ぎ、降雨増水時は扉体を開いて流下させる、潮留水門の機能を有していたのでしょう。

戸袋に接した台形の切り欠きに、扉体の開閉機構が収まっていたと推測はできたものの、ふと疑問が。‥‥う~ん、この切り欠きのスペースだと、もし棒状のラックやロッドだとしたら、ストロークに足りない気が。どんなからくりで開けたてしていたのかしら?

閘門の戸袋の裏側に当たる側面には、見づらいですがどうやら四角い穴があるようなので、ロッドだとすれば、反対側に突き抜けるような構造だったのでしょうか。水門も同様の仕組みだったのか、台形の切り欠きのみではわかりません。他にもいくつか溝や切り欠きがありますが、機械類の痕跡もないため、角落しの戸溝以外はどうにも見当がつきかねます。

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こちらは閘室の上流側、北側面。錆び崩れてはいるものの凹部にハシゴが残り、戸袋の上流側角には、扉体のヒンジとなっていた軸穴付きの鉄板が突き出しているのも見えますね。

ハシゴがこれだけ残っているなら、開閉機器も痕跡くらいはあってよさそうなものですが‥‥。あれこれ妄想のタネになるよすがはあるものの、ずいぶんきれいに片づけたものですね。

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これは上流側、南岸の閘室側面、戸袋部分。蔦が生い茂って水面上まで張り出し、覆い尽くされるのも時間の問題ですね。ここにもヒンジの軸受金物が見えます。

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水門径間に目を転じてみましょう。下流側を眺めてみると、開閉機構を収めた部分がごっそりと切り欠かれ、低いところのフラットはほぼ水面ひたひたで、並行して別の橋脚が並んでいるようにも見えます。

あっ、こちらにはいくつか、開閉機器らしい何かが残っていますね! 橋桁に寄り添うようにして残置された錆色のアレが何なのか、興味をそそられます。近くで観察してみましょう。

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ワイヤーを巻いた車地が、カマボコ形の何かに軸を突っ込んでいる‥‥カマボコはモーターのケーシングでしょうから、明らかに電動巻上機です。

しかし、同様に錆びたプーリーで、導かれたワイヤーの行き先をたどってみると‥‥扉体の開閉機構が収まっていたとおぼしき凹部。からくりの詳細はわかりませんが、水門のマイタゲートはこの巻上機で動かしていたことになります。ということはロッドで押し引きする仕組みでなく、閉鎖された扉体を開放するときのみ、ワイヤーで引っ張っていたのかしら?

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あれこれ観察しつつ、また妄想しながら、新川橋の北詰に来ました。今度は橋の向こうに、球形ガスタンクのうっそりとした姿を望んで。先ほどのお寺さんといい、メリハリ(?)のある面白い橋詰風景を楽しませてくれますね。

こちらは宅地のせいか、標識に加えて注意書きの看板も掲げられ、さらに海抜表示まで。こちらは南詰より水辺に出やすそうなので、橋の全貌も眺めてみるとしましょう。
撮影地点のMapion地図

(令和4年7月9日撮影)

(『新川橋閘門跡を訪ねて…2』につづく)

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タグ : 大野川新川橋閘門閘門金沢市