払暁に出航して…2
(『払暁に出航して…1』のつづき)

●航跡を振り返って。水平線近く、中央やや左に小さく見えるのは、東京港・第三航路(西航路)の入口を示す、1番の航路標識。白い引き波がほんのり朝焼け色に染まりきれいで、舵を代われる人がいたらしばらく眺めていたいほどでしたが、何分一人の悲しさ、一瞬振り返ったにとどまりました。
風を防いでくれる陸岸を離れると、波は高さを増し、硬い衝撃が間断なく襲ってくるように。まあまあ穏やかな海況とはいえ、木っ端ブネにとっては油断のならない航程であります。
●航走30分、ようやく頼みの風の塔が姿を現わしました。針路をさらに10度ほど右へ、浮島に少し寄せるような形で変針点へ。
波はさらに高く、波長は短いものの、ときどき波頭が白くくだけるほどになり、ピッチングが激しくなってきました。はやる心を抑えてスロットルをしぼり、艇をなだめながら、近づいてくる風の塔を左へ持ってゆくように舵を当てます。

●変針点、風の塔をほぼ正横に見て。高度をさらに増した太陽が、風の塔のほぼ直上に輝く妙、これはちょっとした幸運かもと、艇を止めてスナップ。
早起きした甲斐あって、美しい夜明けの海が拝めるのは、嬉しいものですね。しかし艇の行き足を殺した瞬間、今までのピッチングが一転、ごろんごろんとローリングになるのですから、体を何かで支えていないと放り出されそうになり、油断はできません。
●東西の扇島に沿ってしばらく西進し、出港から1時間と10分ほどかけて、鶴見航路の近傍まで到達。鶴見つばさ橋の2本の主塔が、陽に輝いてよい目標になっています。
扇島南方のこのあたり、航路帯を外れるとこの時点で水深5m台のところがあり、結構浅いのですね。反面本船は入ってこないので、小型船艇には安心できるエリアではあります。

●写真の2番灯標に近づいたあたりから、当たり前ですが水深がぐっと深まって、鶴見航路に入ったことを実感しながら右へ転舵、北上開始。
鵜さんが数羽、のんびりと羽を休めているのも可愛らしく、強まる陽射しを背に、ホッとしながら運河地帯へ進入。湾奥のさほど長くない航程でも、やはり水路者にとって海は緊張するものですね。
(令和3年12月12日撮影)
(『払暁に出航して…3』につづく)

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●航跡を振り返って。水平線近く、中央やや左に小さく見えるのは、東京港・第三航路(西航路)の入口を示す、1番の航路標識。白い引き波がほんのり朝焼け色に染まりきれいで、舵を代われる人がいたらしばらく眺めていたいほどでしたが、何分一人の悲しさ、一瞬振り返ったにとどまりました。
風を防いでくれる陸岸を離れると、波は高さを増し、硬い衝撃が間断なく襲ってくるように。まあまあ穏やかな海況とはいえ、木っ端ブネにとっては油断のならない航程であります。

波はさらに高く、波長は短いものの、ときどき波頭が白くくだけるほどになり、ピッチングが激しくなってきました。はやる心を抑えてスロットルをしぼり、艇をなだめながら、近づいてくる風の塔を左へ持ってゆくように舵を当てます。

●変針点、風の塔をほぼ正横に見て。高度をさらに増した太陽が、風の塔のほぼ直上に輝く妙、これはちょっとした幸運かもと、艇を止めてスナップ。
早起きした甲斐あって、美しい夜明けの海が拝めるのは、嬉しいものですね。しかし艇の行き足を殺した瞬間、今までのピッチングが一転、ごろんごろんとローリングになるのですから、体を何かで支えていないと放り出されそうになり、油断はできません。

扇島南方のこのあたり、航路帯を外れるとこの時点で水深5m台のところがあり、結構浅いのですね。反面本船は入ってこないので、小型船艇には安心できるエリアではあります。

●写真の2番灯標に近づいたあたりから、当たり前ですが水深がぐっと深まって、鶴見航路に入ったことを実感しながら右へ転舵、北上開始。
鵜さんが数羽、のんびりと羽を休めているのも可愛らしく、強まる陽射しを背に、ホッとしながら運河地帯へ進入。湾奥のさほど長くない航程でも、やはり水路者にとって海は緊張するものですね。
(令和3年12月12日撮影)
(『払暁に出航して…3』につづく)

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