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早起き近場散歩…7

(『早起き近場散歩…6』のつづき)

274031.jpgそろそろと歩かせてマリーナの奥、森田内燃機さん前の桟橋には‥‥好みど真ん中の無骨な曳船が。

星霜を感じさせる、ペンキを塗り重ねた肌の風合いが素敵。機械油の匂いが漂ってくるような"鉄の魅力"に惹かれて、少々近づきすぎたきらいはありますが、ぎりぎりまで間近に迫って、もう心ゆくまで堪能させていただきました。


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四隅を丸めたHゴムのハメコロシ窓と、角ばったアルミサッシというちぐはぐな操舵室の窓配置もさることながら、左手のご丁寧にヒサシと格子まで備えた、小さな丸窓が配されているのも泣かせるものが。

甲板や舷側の黒だけでなく、水線の船艇色も褪色が進んで、年季の入り方が半端ではありません。操舵室側面に掲げられた船名板も、元はニス塗りか何かだったのでしょうが、辛うじて判読できる程度に。名前は「十五三宝丸」でしょうか。

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後付け装備や電線で賑やかな、エンジンケーシング周りの味わい。左端、なぜか緑に塗られた操舵室後妻はHゴムのハメコロシ窓。ファンネルマークがないのは惜しい気がするものの、オレンジの煙突は紅一点といった風で映えますね。

丸めた上端に沿って鎖のハンドレールが渡され、側面には二つのヒサシ付き丸窓、なぜかこちらは格子なし。三菱のロゴ入りステッカーは、この無骨なディテールの中で浮いていますが、ご愛敬といったところ。

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この船尾から眺めた角度が、情報量が圧縮されたこともあってか、感動が実に深いものでした。

以前見た大正末建造の保存曳船「第一芝浦丸」同様の、鎖で縛着した円筒形ゴムフェンダーをまとった船尾周りのたたずまい。そのまろやかな曲面とともに、古典的な滋味にあふれているじゃないですか。大した面積のない後妻へ、律儀に丸窓がうがたれているのもぐっと来ますね。

274035.jpg今年7月22日以来となりましたが、新月島川通航時のルーチン(?)であるバージ観察を。今回は干潮時でないので、ホールドの中はのぞけませんでした。

今さらの感想で恐縮ですが、水線付近の腐朽がただごとではないのですね。船首近くには大きな穴が‥‥。まあ、左舷を浅場に軽く擱座させているようなので、浸水したとしても大ごとにはならないでしょうが。

(令和3年11月14日撮影)

(『早起き近場散歩…8』につづく)

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タグ : 新月島川曳船