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雨の猊鼻渓…5

(『雨の猊鼻渓…4』のつづき)

264026.jpg全員が降りてから写真を撮ろうと、テントの下に駆け込んでしばし待機。

ここから下流側に見えた岩壁の姿が素晴らしかったので、ぜひ舟を入れて一枚ものしておきたいと思ったのと、人声のない静かな(雨音は結構なものでしたが)渓谷の雰囲気を味わいたかったこともあり、連れを先に行かせて一人残ったのです。

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雨にけぶる巌崖の白い肌、まさに水墨画の世界。和船とともにある川景色としては、国内でも随一の素晴らしさではないでしょうか。

一服しながらしゃがんで見とれていたら、バチバチと音がするほど雨脚が強まり、小さな折り畳み傘しか持たない身としてはびしょ濡れ必定と、皆さんの後を追って奥に向かう気が、しおしおと失せてしまいました。

しばらくして戻ってきた連れも、雨が激しすぎてスマホを構えられず写真はなし、名物の「うん玉」も投げずといったていたらく。というわけで、奥地の写真はありません‥‥(泣)。

264028.jpg‥‥とまあ、雨のおかげでどうにも意気が上がらない航程ではありましたが、嬉しいイベントもあったのですよ。鴨さんとのスキンシップ。

乗り場、船内ともに小袋に入れた水鳥の餌を売っていて、鴨に与えることができるのです。船頭さんからは「水鳥の少ない時期だから」と特に案内はなかったのですが、かごに入った餌が「一袋50円」と書かれ置いてあったので、トリ好きとして見逃すはずもなく。

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往復とも、数組の鴨さんカップルが舟に追いすがってきました。竿を突いてゆっくり進む舟でなくては、味わえない贅ですよね。

雨の水玉を羽毛の上にいっぱい浮かべて、「ちょうだい」とつぶらな目で訴えてくるさま、可愛らしいしぐさに財布のひもも緩もうというものです! これ、午前中の早い便で、鴨さんが空腹だったからこそでしょう。大いにトクをした気分になったものです。

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船頭さん自慢のノドでうなる「げいび追分」に喝采していると、早くも乗り場の建物が視界に入るところまで下ってきました。ここでその対岸、右側に往路では気づかなかった、茶色い壁の小屋掛けのようなものが。

手前にはオガクズの山、中では木材を組んでいる風で、人がいて何か作業をしている‥‥アレはもしかして!

(令和3年4月17日撮影)

(『雨の猊鼻渓…6』につづく)

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タグ : 猊鼻渓砂鉄川一関市水辺の鳥たち