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花畑運河再訪…6

(『花畑運河再訪…5』のつづき)

260056.jpg雪見橋のテラス区間を出たところで、魚探の感を記録。12年前の通航時と同様で、西に進むほど少しづつ水深が増していることに変わりはありませんでした。

これは、六ツ木水門が常時開で、中川との間で水の代謝をしており、わずかづつ中川が運んできた土砂が堆積しているのに対し、花畑水門が常時閉で、開放する時間も月一回程度とわずかであり、また開放した際も、流れは中川から綾瀬川へ向かっているため、と見てよいでしょう。

そうそう、環境整備事業で唯一解せなかった、水深をA.P.-0.5mにかさ上げする件ですが、「第4回 花畑川環境整備事業の説明会及び意見交換会」(PDF・足立区)に理由が明記されていたので、ここで引用しておきましょう。

10ページ「7-2 水質について」に、「滞留時間(水の入れ替え時間)が長くなると、アオコが発生するなどの水質悪化を引き起こす恐れがあります。
本整備事業では、新水門(4.5m)に合わせて水量を減らすことで、入れ替え時間を短くして水質の保全を行います。

‥‥なるほど、水門が樋門化されて狭くなった分、水の代謝が現在の水深では滞りがちとなり、汚濁が懸念されるので、水深を浅くして貯留量を減らすということですね。

しかし、流れの方向が東から西へ向かう造りになっているのなら、花畑水門をまめに開き、適宜綾瀬川へフラッシュ放水みたいな形で流下させた方が、工事の必要もなくよいような気もするのですが、いかがでしょう。まあ、各河川の決められた流量や水門の管理上、面倒な点もありそうなので、水深減少が採られたのは、それなりの理由があるのでしょうね。

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花畑水門と月見橋が近づいてきました。花畑水門は、綾瀬川から訪ねた平成21年3月以来、11年ぶりです。手前の人道橋が桁を補修され、きれいになったほかは、水門も周囲も特にお変わりないようですね。

運河西端付近は特に釣り人さんが多く、さすがに緊張させられたのですが、「お邪魔します、すみません、すぐ戻りますんでちょっと通らせてください!」と両岸におられた皆さんに声をかけたところ、「はーい」「おーう」と、元気よく応えてくれました。ありがとうございます。

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今回は、少しだけ踏破区間を伸ばすことになりました。花畑水門の扉体周りを観察しておきたくなり、月見橋の真下まで入ることにしたのです。

橋台と緩い法面の基礎護岸が迫り、幅は半分以下に。風向きの関係か、水門近くの水面には細かいゴミがたまり、水面にしわが寄ったようになっています。

260059.jpg月見橋の手前には3径間の人道橋が併設されており、橋脚はご覧のとおり重厚で、護岸から離れてはいるものの、橋台のような風情です。

これも岸に橋台を設けるより、基礎工事ほかの点で施工が楽なため、採られた方法のように思えました。雪見橋、桜木橋と同じ伝なのでしょう。


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こちらは六ツ木水門のように、マイタゲートの痕跡は残っていないか‥‥と、左右を見回しながら扉体ギリギリまで寄せてみて、アッと声を上げました。手前にある戸溝に角落しがはめ込まれている! 完全閉塞か?

シャッターを何回か押した後、ほんの一瞬でゴースターンをかけて離れたので、よく確かめる余裕はありませんでしたが、帰宅後に写真で観察してみると、角落しにしてはどうもおかしい。アルミの生地みたいな色でしかも円筒みたいだし、戸溝の天端には何か箱型の機械が。

もしかして、アバ(浮き)をフェンスとしてはめてあり、扉体に水面のゴミが寄せないようにしているのかも‥‥。天端にある機械は、小型の巻上機なのかしら、と想像。根拠はありませんが、水門を定期的に点検運転している以上、完全閉塞はおかしいですものね。まあ、謎は残りましたが、思い切って近づいてこその新発見だったので、よしとしましょう。
撮影地点のMapion地図

(令和2年12月29日撮影)

(『花畑運河再訪…7』につづく)

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タグ : 花畑運河花畑水門