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弥彦山のりもの三昧

(『新川河口の謎通船施設…3』のつづき)


256076.jpg大河津を離れた後は、弥彦神社の参拝を兼ねて弥彦山を訪ねました。水路とは関係ないのですが、乗り物に興味深いものがあったので、新潟行きの項の最後にまとめさせていただきます。

右の写真は、大河津分水旧可動堰越し望んだ弥彦山。陽が差した東側の山腹に雲がかかり、一種神々しいような眺めでした。
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県道29号・吉田弥彦線をまたぐ大鳥居。これが弥彦神社の一の鳥居になるのでしょうか、なんでも日本一の大きさだそう。

視界を圧する大きさになってきた背景の山並は、先ほど同様雲をまとって、なかなか迫力ある眺め。でも、山頂の天気は大丈夫かな?

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山麓の駐車場から少し入った森の中に、弥彦山ロープウェーへの無料送迎バスが待っていました。急勾配の登山道を上ること約5分、昼なお暗い杉の森を抜けて山麓駅に到着。

弥彦駅からもずいぶん離れていて、アクセスはあまりよくありませんが、それだけに秘境感は十分。駅に入ろうと階段を上がってみると‥‥。

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入口側面に「弥彦観光索道株式會社」と書かれた看板を発見。「観光索道」! いいですねえ。書体もマークも渋くて素敵で、いっぺんで気に入ってしまいました。

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切符を買ってホームに上がると、「やまひこ」と書かれたゴンドラが待っていました。「やまびこ」じゃないのか、と思ったら、対のもう1台が「うみひこ」なんだそうで。なるほど。昭和40年代ぽいデザインのボディがいいですね。

霧のかかった木立の向こうから、冷たい空気がさあっと降りてきて、山に来た、という実感が盛り上がります。

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一つ注目したのが、この電話機。側面のハンドルをガラガラとまわして呼び出す、発電機式ですね。親戚の会社で内線電話として使われていたので、懐かしいです。

ベークライトのボディは黒光りしていて、大切にされていることがうかがえます。山頂駅との連絡用でしょうか。

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山麓駅を出発。駅員さんが最敬礼でお見送りしてくれました。建屋の鉄骨はリベット組みと、こちらも渋くて素敵です。

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もう1台のゴンドラ「うみひこ」が下ってゆくのを見送って。途中までは眺望がよろしく、越後平野が見渡せたのですが、高度が上がるとズボッ、という感じで霧の中へ。

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山頂駅に到着。ゴンドラが駅に近づくと、今まで濃かった霧が晴れてきて、視界が広くなってきました。山向こうからの海風で、吹き払われていることは後でわかり、真っ白な中うろつかねばならないかと思っていたので、胸をなでおろしたものです。

山頂駅の駅舎は、地方私鉄の小駅といったのどかな雰囲気。駅前に出てみて、目線を吸い寄せられたものが二つ。

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向こうに突き出た塔もそうですが、左手の展望食堂から急角度で降りている、レールみたいなものが特に気になりました。ケーブルカーがあるのかな?

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塔の方は、しばらくすると下からゴンドラが上がってきて、正体が判明。今は亡き東京の後楽園タワーと略同で、ドーナツ型のゴンドラがゆっくり回りながら上下する、展望塔だったのです。後楽園タワーは子供のころ何度か乗ったので、これも懐かしくなりました。

日本海の海風がもろに吹き付けるここでは、運用にご苦労も少なくないことでしょう。現役であることに感動したものでした。

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気になる物件のもう一つは‥‥あっ、車輌(?)が上がってきた! 斜行エレベーターみたいですね。しかし、よそで見た同種のものと違って、昔の気動車のような、何とも魅力的な外観じゃないですか。ゼヒ乗ってみたいと、展望レストランへ急ぎました。

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売店で切符を買って乗り場へ。係の方が、「タワーと共通券にするとお得ですよ。風が強くなると止めるから、ぜひ乗っておきなさいよ」と強く勧めるので、せっかくだからと共通券に。もう乗り物三昧であります。

乗り場からのぞくと、傾斜がまあもの凄いこと。妻板の鼻先がすでにレール!

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車内の様子。塗料の色合いやノブで固定したハンドレール、窓の黒いHゴムと、これまた渋くてイイ感じの造作。両側に扉があるのはなぜでしょう、下の乗り場は反対側にホームがあるのでしょうか。

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車内の表示二題。通称は「クライミングカー」、定員30名、線路の全長は62.4m、傾斜は何と50度! 斜行エレベーターであるゆえんで、ケーブルカーではこの超急勾配は難しいでしょう。

銘板を探したのですが見当たらず、妻窓の前にあったこれも、先の表記と似たような内容。ただ、「係員以外手を触れないで下さい」とあったので、かつては乗務員が乗り、車内から操作できる何かがあったのかもしれません。

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発車後、妻の窓からの眺めがまた強烈というか新鮮というか。水平方向は鈑桁を組んだレールとワイヤー群しか見えず、空を仰がざるを得ない状態。乗り場の張り出し具合も恐ろしいほどですね。

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現在は使われていないようで、何のアナウンスもなく通過してしまいましたが、写真のような「中間駅」もあるのですね。扉が両側面に備えられていた理由は、これだったようです。

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タワーと地上から見たクライミングカー三態。本当にキュートな外観で、昭和40年代の地方私鉄に電車や気動車としていても、違和感がないようなデザイン。

正面の二枚窓と、塗分けのパターンが実によくマッチしていますよね。タワー同様、海風が吹き付け環境は厳しいはずですが、錆も見られず美しく整備されているのは、さすがと思いました。

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クライミングカーを降りると、タワーの乗り場はすぐ目の前。「パノラマタワーのりば」と大書きされた看板のイラストも昔風で暖かみがあり、いいものです。

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ゴンドラ内の様子。毎度同じようなことをいって恐縮ですが、壁面の塗色やシートの生地が懐かしく、子供のころに戻って後楽園タワーに乗ったような気分。

弥彦山で乗った3つの乗り物に共通するのは、おそらく竣工から半世紀近くを経て古びてはいるものの、清潔でよい状態が保たれている点。職員の方々も親切で、愛情をもって施設を運営されているさまが感じられたものでした。

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あいかわらず雲が多くはあったものの、山肌をのぼる風が吹き払ってくれたので、日本海や周囲の峰々を楽しむことができました。いや~、ゴンドラがゆっくり回ってくれて、座ったまま全周をほしいままにできるのって、すごく贅沢な体験かも‥‥。

ちなみにこの後、下山して弥彦神社にお参りしたのですが、しばらく土砂降りでした(泣)。先にきちんとご挨拶せずに遊びほうけていたので、ばちが当たったのでしょうか。
撮影地点のMapion地図

(令和2年10月24日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 弥彦山クライミングカーパノラマタワー