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栗ノ木排水機場舟通しを訪ねて…5

(『栗ノ木排水機場舟通しを訪ねて…4』のつづき)

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南側から排水機場径間を見て。右端に舟通しの側壁が一部見えていますね。

説明板の写真を見ると、元は16径間あったようですが、現在残されているのは11径間。これは西側(写真左)に、新排水機場が隣接する形で追加設置された折、撤去されたものと思われます。

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説明板と並んで、旧跡らしい設置物がこの、堰柱正面に取り付けられたアクリル板の水位表示。せっかくの展示も、草に埋もれかけて見えづらいところがありますが‥‥。

下から書き出しておくと、現在の鳥屋野潟水面(海抜-2,000㎜)、栗ノ木排水機場の計画水位(海抜-560㎜)、東京湾平均潮位T.P.(海抜±0) T.P.はTokyo Peil、日本海水面N.P.(海抜+300㎜) N.P.はNiigata Peil、信濃川親松排水機場付近水面(海抜+800㎜)。

256058.jpg当時の栗ノ木川の水位を、仮にN.P.に等しいとすると、排水機場の計画水位(つまり当時の鳥屋野潟側の水位)にN.P.を足して、閘程は0.86mということになりますね。

また、現在の鳥屋野潟の水位が-2mとあることから、栗ノ木排水機場が現役だったころより、さらに1.44mも水位低下が進んでいることがわかります。

鳥屋野潟に一時貯留できる水の容積が大幅に増えたことすなわち、集中豪雨など短時間の増水に対して、より地域の安全が担保されたことになりますね。
脱・低湿地帯の第一歩を踏み出すことを可能にした栗ノ木排水機場、地域にとってまことに偉大な存在で、末永く顕彰していただきたいものです。

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おまけ‥‥。南側、砕石の山の隣には、ご覧のようなたくさんのテトラポッドが。足元は背の高い草で埋もれているので、ツノ一本だけがずらりと顔を出しており、どこかお墓のような、ちょっともの悲しい雰囲気です。

隣接して亀田郷土地改良区の出張所があるので、旧河道だったここもその関連で、土木資材の置き場になっているのでしょうか。

256060.jpg鳥屋野潟も見たかったのですが、朝食前に出てきたこともありツラくなってきたのと、雨雲の迫る中次の物件を訪ねるスケジュールも考え、排水機場の敷地内から、チラッと水面をのぞくのみにとどめました。

史跡探訪というより、廃墟探索のようにヤブをこぐことになったものの、潟湖と向き合ってきた地域の歴史にも触れることができ、閘門好きとしても扉体を間近にできて、大いに楽しめました。

(令和2年10月25日撮影)

(『新川河口の謎通船施設…1』につづく)

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タグ : 栗ノ木排水機場鳥屋野潟