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栗ノ木排水機場舟通しを訪ねて…2

(『栗ノ木排水機場舟通しを訪ねて…1』のつづき)

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閘室を渡る橋の上から南側、舟通しとご対面。左手に大きな木が生えてしまっているので、扉体が影になってよく見えませんが、半ば埋められて草生した閘室の向こうに、半開きになったマイタゲートがあるのがわかります。

説明板に掲げられた史料「栗之木機場施設概要」によると、閘室は「長さ六〇米 内法六米」とあり、それぞれ有効長、径間とみてよいと思われます。

256042.jpg橋の上の同じ位置から、排水機場の堰柱群を見て。このスペースはかつてポンプや電動機を収めた上屋があった場所ですが、もちろん跡形もありません。

この奥には現役の竹尾揚水機場があり、向こうの道へ抜けられるようになっているので、ここも近隣の人のための通路として活用されているようでした。


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閘室と排水機場への本流を分かつ、背割堤というか側壁の上へ歩みを進め、マイタゲートへ近づきましょう。足元のコンクリートは、骨材の小石が表面に目立つあたり、戦中~戦後の施工を思わせます。陥没やクラックにも、放置されてきた星霜を感じさせるものが。

両側壁には鉄パイプで一応の柵が設けられていて、見学コース(?)としてはここから出てはいけないのでしょうが、できる限り子細に観察したい欲望を抑えがたく、今回は失礼して柵の外へ出させてもらいました。ごめんなさい。

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柵を乗り越えて(重ねてごめんなさい)、扉体の真横へ。バックにススキがそよぐ中、半ば埋もれ、一面赤錆びつつもかろうじて原形を留めるマイタゲート。放置されて久しい廃墟そのもの、何とももの悲しい水門風景ながら、ついにここへ立った、という喜びが込み上げてきたのも事実です。

帰宅してから一つ「しまった!」と気づかされたのは、手前の扉体の天端近くに、銘板らしきものが認められたこと。見たかぎり他の場所には確認できなかったので、これが残存した唯一のものと思われます。経年でかすれていたこともあり、この距離からだと拡大しても判読できず、まあ、悔しいことこの上ありませんでした‥‥。

大河津の項でも触れましたが、この二日間は雨の合間を縫って常にあせっていたせいか、どうも取りこぼしがいくつも出てしまい、お恥ずかしいかぎりであります。

256045.jpg足元には、扉体を開閉するラックの駆動装置を収めていたであろう竪穴が。

ラックは直線タイプで、説明板に「電動開閉」とあったことから、ここにはモーターやピニオンギヤなどが備えられて、ケーシングくらいはあったと思われますが、ご覧のとおりの状態でした。


(令和2年10月25日撮影)

(『栗ノ木排水機場舟通しを訪ねて…3』につづく)

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タグ : 栗ノ木排水機場栗ノ木排水機場舟通し閘門