雁木タクシー…1

(『広島の水上バス…7』のつづき)

9061.jpg付近をしばらく観光の後、先輩たちと別れて、いそいそと雁木タクシーのもやう、元安橋上流へと急ぎます。着いてみると、ボートは一隻のみ、もう一隻は出動中の模様。

座っていた初老の男性に「乗せてくれますか?」と声をかけると、「ちょっと待ってね、今向こうにいるボートを呼び戻すから…」。えっ? このボートには、何か乗れない理由があるのかな?
撮影地点のMapion地図

9062.jpg初老の男性は携帯を取り出し、「お客さんが来たから、ちょっと戻ってきて」と電話をかけると、相生橋の向こうまで行っていたボートがUターンして来てくれました。乗り組みの方のほか、お客さんも2人乗っており、わざわざ戻ってきていただいて、恐縮してしまいました。

敷物をフェンダー代わりにした護岸の法面に、軽くバウをのし上げるようにして接岸。料金を払って乗り込むと、スタッフの一人が「お~い、○○さんも乗りなさいよ!」と、上を自転車で走っていた人に声をかけました。
ずいぶんアットホームな雰囲気だなと、はたでやり取りを聞いていると、どうやら先客のお2人と自転車の男性は、雁木タクシーを運営している団体(NPO法人雁木組)の、お身内のようですね。
 
9063.jpg乗客総勢4名で出発。コースは、本川を遡上して10分ほど遊覧するミニコース。相生橋をくぐり、城南通りを渡す写真の空鞘橋へ。

先客の男性は、やはり雁木組の理事の方で、沿岸の風物から、雁木タクシーの運営に至るまで、詳しく説明してくれました。
短時間の遊覧コースは、やはり物足りない思いがあったので、「他にどういったコースがあるのですか?」と質問したら、「タクシーを名乗っているのですから、雁木のあるところならどこへでも行きますよ!」ただし、今は干潮なので、残念ながらコースが限られるとのこと…なるほど。
撮影地点のMapion地図

ちなみに、広島市中心部を流れる川には、約400ヶ所の雁木が今なお残っているとのこと。そのうち、雁木タクシーの乗降場所として適当とされているのは、約50ヶ所。水運が盛んだった時代の遺産を、整備して再利用している形とは言え、この規模の都市としては、ものすごい船着場の多さですね。

活動は艇の運航だけにとどまらず、会員が各河川の水深を測って河川図を作成したり、最大4mにおよぶ潮位の変動に照らして、利用可能な雁木を割り出す検索システムを開発もされているそう。水路好きとしては、河川図が気になるなあ…。機会があったら、ぜひ拝見してみたいものです。

9064.jpg天満川との分流点近く、三篠橋を遠く望む地点で折り返し。お話をうかがいながら、コンソールを見せていただくと、やはり魚探装備。澪筋の複雑なご当地の川では、必須のアイテムでしょう。

私が、東京で艇に乗っていることを話すと、理事氏は、「こちらにも一隻置いて、乗りに来られたらどうですか!」
「フネをお持ちなら、あなたが東京で雁木タクシーをやられたらいいんじゃないですか?」
これにはさすがに面食らいました。イ、イヤ、私そんなに大層な者じゃないです…。単なる道楽者なんですって。

9065.jpg帰路、ピンクの船体が可愛らしい水上バス「スイスイ」が反航。こちらは宮島行きではなく、市内の遊覧航路だそうです。

このあたりでも、やはり大型船にとって澪筋は限られるようで、見ていてヒヤリとするほど、ギリギリまで護岸に寄せて遡上してゆくのが印象的でした。


(21年7月5日撮影)

(『雁木タクシー…2』につづく)

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コメント

雁木タクシー!

NPO雁木組、聞いたことがあります♪
水運のシンポジウムに出かけたときだったかと思います。

東京でも、どなたか、心広いお方が雁木タクシーをやってくれたら…
と思っているのですが、
理事の方の言う通り、パドルさん、是非♪

特に、江東区は陸上交通が不便なので、きっと重宝しますよ、僕。

Re: 雁木タクシー!

>lonechuckさん
いや~、なんとも(笑)。
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