「東京人」7月号は橋の大特集

●トップの目玉記事はお題のとおり、江戸・明治期の浮世絵に描かれた、橋と水辺風景を前に考察する座談ですが、ここに掲載された橋の浮世絵と写真絵葉書、多くが座談の中心人物である紅林章央氏(前・都建設局橋梁構造専門課長)の所蔵なのに驚かされ、かつ「さすが紅林氏!」と大いにうなずかされたものです。
まったく素晴らしいコレクションで、質量ともに圧倒されると同時に、紅林氏が抱く橋への熱い想いが伝わってくるように感じられ、これだけでも一読の価値ありといっていい過ぎでないほど。
●熱心な研究家が多いジャンルだけに、特集各記事の内容も濃厚で、磯部祥行・藤田哲史両氏による特選30橋、冒頭見開きの橋の型式と構造解説は、「橋梁趣味の入門編」として素晴らしい記事。また実に読み応えがあったのは、中井祐氏による橋梁技術者たちの評伝‥‥キリがないのでこのへんにしておきますが、とにかく盛りだくさん。掲載史料も目を見張るものが少なくなく、ライトなファンからベテラン勢まで楽しめる特集といってよいでしょう。
●私は「モーターボートに乗って川面から眺める愉しみ」で、水路徘徊時に橋を桁裏から仰いだ際の面白さをお話させていただきました。純和式の木造桁橋から、クレーン船で豪快に一括架設される現代の鋼橋まで、都内に限らず、橋に関心のある方々すべてにお勧めしたい号であります。

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