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松潟堰…7

(『松潟堰…6』のつづき)

241031.jpg踏み跡に感謝しつつも、土の露出した法面は湿気を帯びて、思ったより滑りやすく、足元の心許なさに背中をぞわぞわさせつつの前進。フェンスを手掛かりにできるのが、本当にありがたかったものです。

恐る恐る、それこそ一寸刻みに蟹の横這いを続け、ようやくフェンスの張り出しに到達。閘室は見えるか?‥‥「見えます! 見えます!」と、まるで二百三高地に到達した前進観測員のごとく、脳内で喜悦の叫びを上げたのであります。

改めてしっかりとフェンスにつかまり、コンクリート護岸の天端を踏みしめた足元を再確認してから、思い切って身を乗り出し、カメラを右手で差し出しました。

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径間2.1mの威容、間近にあり。

極小閘門に威容というのは、ちょっとおかしいかもしれません。しかし近くで眺めると、堰併設ならではの高さが凛として立つ印象を与え、またそれゆえの狭小径間が強調された外観に、「小粒でも、やはり閘門だなあ」と、思い入れが深まったからこそ、そう感じられたのでしょう。

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伸ばした右手をプルプルさせながら、ズームでたぐって閘室をアップ。ううん、何度も恐縮ですが、本当に狭い‥‥。これではフェンダーも付けられないでしょう。

上流側の信号も位置か高すぎて違和感がありましたが、下流側の信号はさらに斜め上を行き、橋の構造に半分隠れてしまっています。通航艇からの視認性は、ほとんど考えられていないようですね‥‥。

セルフ操作の把手があるかと目を凝らしたものの、開放時はロープが上げてあるのか、それとも側壁に凹部でも設けて収めてあるのか、確認できませんでした。

イヤ、それよりよく見ると、左の側壁に埋め込みハシゴが複数列突き出ていて、結果的に径間をさらに縮めているじゃないですか! 実際の通航可能な幅員は、1.8mくらいになるのでしょうか。恐らく和船タイプと思いますが、どんな舟が通るのか、見てみたいものです。
撮影地点のMapion地図

241034.jpg

241035.jpg少々物足りない部分はあったものの、楽しく、かつ無事に閘門探訪を終えることができました。最後におまけのスナップを2枚。上は陽射しを浴びて、のどかな表情を見せる土砂吐ゲート。

右はこの項の1回目で触れた、昭和12年に竣工した先代松潟堰の遺構らしきもの。北岸の下流にあったこと、戸溝が残っていることから、まず間違いないかと思われます。

(元年11月4日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 松潟堰松潟堰舟通し閘門一宮川