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ひょうたん島周遊船…8

(『ひょうたん島周遊船…7』のつづき)

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船はほぼ真西に変針し、新町川を遡上し始めました。両岸に槍付けしたプレジャーや漁船が居並ぶ河港風景の向こうに、徳島市の象徴ともいえる名山、眉山が優しげな山容を見せていました。

船長いわく、「眉山が最も美しく見えるところ」。“ブラタモリ”でも採り上げられて評判だったとか。なるほど、川幅もあって、建物に煩わされず山裾まで一望のもとですね。朝夕の凪で川面が滑らかであれば、水鏡に写った「逆さ眉山」が楽しめそうでもあります。

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徳島県庁の近くには、一見して官船とわかる白い塗装の船が。徳島県の漁業取締船「つるぎ」だそうです。前傾した操舵室の妻、直線的な滑走船型とあいまって、いかにも早そうです。

このあたりまでは低い橋がないので、街中といえどこのような比較的大きい船や、高いマストを持つヨットがもやうことができるのですね。

239188.jpg新町川に戻って初めてくぐる橋は、国道55号線かちどき橋。河口近くに架かっているのが、東京の勝鬨橋と同じでご縁を感じるものが。自転車で通りがかった男性が、笑顔で手を振ってくれました。

東京の勝鬨橋は、日露戦争の旅順陥落を記念して名づけられた、渡船の名が元になっていることは知られていますが、徳島のそれは支那事変(日中戦争)での連勝にちなんだのだとか(Wikipedia『かちどき橋』)。

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かちどき橋のすぐ西側には、牟岐線の富田川橋梁が並行しています。レンガの橋脚と、リベットで組まれた鈑桁という古豪橋。桁は最近再塗装されたのでしょう、ダークグリーンの表面がつやつやと美しく、また星霜を経たレンガの肌ともしっくりきていて、よいものでした。

239190.jpg富田川橋梁の手前から、船はぐっと行き足を落として、右へ大きく舵を切りました。北岸に正対した船首方向に見えた建物は、中洲総合水産市場。徳島市の魚市場の一つだそうです。

船長はゆっくり岸へ寄せながら、「今日は来ているかな‥‥」と、何かを我々に見せてくれる様子。水面を眺めても変化はないようですが、さて、何が出てくるのでしょうか?
撮影地点のMapion地図

(元年9月14日撮影)

(『ひょうたん島周遊船…9』につづく)

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タグ : 新町川ひょうたん島周遊船徳島市