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蛭子公園のマイタゲート…3

(『蛭子公園のマイタゲート…2』のつづき)

239146.jpgゲート状構造物の上に留まっていた鵜さん。居心地がよいのか長い間じっとしていて、どこか飄々とした風情でした。

で、前回の終わりに触れた「光明がさしたような情報」のお話。この水閘門のさらなる情報は引っかからないかと、帰宅後しばらく経ってからあきらめ悪く検索していたところ、「R1徳土 新町川 徳・上助任 水門改修工事(1)」なるPDFの図面がヒット。並んで同じタイトルの入札情報も検査結果に表示されたのです。

図面を目にして、まあ驚きました。明らかにこの、蛭子公園の水閘門を示しているだけでなく、公示が今年の7月26日、つまり、これから行われる工事なのです! サビサビ、ボロボロの惨状を目の当たりにした後だっただけに、見捨てられていなかったことを知り、正直感動しました。

水閘門単体の名前は今回もわからなかったものの、図面で扉体のディテールが堪能できるばかりか、興味深いデータがたくさん詰まっていて、まさに干天の慈雨といったところ。

ゲート内外の設計上の水位差がA.P.+2.5mから1.8mとなっていますが、閘程は最大0.7mと見てよいのでしょうか。純径間は水門・閘門とも10m、閘門の全長が52.5m、閘室の有効長は25m余。気になったのは、現状の戸袋から前進して躯体を追加し、新たに駆動装置と戸袋を設ける設計なので、径間は今よりぐっと狭まって、5.5mになること。また、やはりバイパス設備は見当たりませんでしたが、これは扉体周りのみの図面のためかもしれず、確証は持てませんでした。

239147.jpg
観察に戻りましょう。東岸から柵越しに、水門径間の扉体周りを眺めて。管理橋がわずかながら、閘門の径間のみ桁の厚みを薄く取っていて、桁下高を稼げるような配慮をしていることがわかる角度です。

239148.jpg
この、水門の東側扉体が最も悲惨な状態だったような‥‥。遠目にも穴が開いているのがわかり、用をなさなくなって久しいことが実感できました。下二つのジンクはボルトこそ抜けていないものの、ほぼ完全に消滅していますね。

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駆動装置のケーシングに書かれていた「水門内スロー」の表記。白フチつきのゴシック系書体、悪くない雰囲気ですね。これは閘室東岸、前扉室のものですが、水門の西岸のそれにも書かれていました。

239150.jpg蛭子公園内も探してみたのですが、水閘門に関する銘板や表記のたぐいは一切発見できず。「新町川浄化ポンプ場」と刻まれた、石造りの銘をカメラに収めたところで終了。

廃墟探訪のようになってしまいましたが、今度徳島を再訪できたときには、扉体も一新されて現役に返り咲いていることを期待したいもの。ポンプアップ時だけ働く全国でも珍しい閘門、これからも活躍してほしいものです。

(元年9月14日撮影)

(『ひょうたん島周遊船…1』につづく)

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タグ : 新町川閘門徳島市