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蛭子公園のマイタゲート…1

(『新町樋門と新町川』のつづき)

239136.jpg新町樋門から150mあまり南下したところに架かる、蛭子橋の東詰で親柱を見て。今立っているこの橋の東側は上助任町蛭子なので、地名を頂いた橋ということになりますね。前回の写真で、新町川の屈曲の向こうにチラリと見えていた橋です。

この橋の上から南を向けば、目指す閘門が正面に見られるいわば閘門ビューの橋。もちろんGoogleストリートビューでも何度も眺めていて、以前より興味をそそられていた物件でありました。

この橋の前後は、小型艇たちが岸に向けてびっしりと槍付けした船溜で、“船いきれ”濃厚な雰囲気のよい川景色なのですが、閘門を境に南は船影がまばらになるのが不思議なところ。何か理由がありそうですね。

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逆光で少々見づらいですが、蛭子橋から閘門を望んだところ。ストリートビューで観察できたかぎりの感触だと、左の径間からマイターゲートが前後2基あるので閘門、右径間がマイタゲート1基で水門だと見当がつきます。そしてどうも、久しく使われていない雰囲気があることも感じられました。

さらに右、上に建物の立った2径間は排水機場か何かの排水口と思っていたら、検索したら「新町川浄化揚水場」と判明。北、吉野川に向かって排水するのではなく、水門と閘門を閉鎖して、新町川へ揚水するというわけでしょうか。そういえば、マイタゲートは南を高水位として設けられていますね。このあたり、後ほど改めて触れたいと思います。

揚水場の真上は蛭子公園となっていて、公園の敷地から、閘室含む2径間の上を管理橋らしい橋が渡っています。公園に橋詰があるということは、一般の通行ができる期待が持てそう。まずは管理橋めざして、駆け足前進です。

239138.jpg管理橋を東詰から見て。橋の通行はできてホッとしたものの、ご覧のとおり、上部に有刺鉄線を張った、高い金網のフェンスで厳重に囲われています。これが橋だけでなく、両岸にも及んでいて、ゲート鑑賞には具合の悪い状況です。

これは、西岸にある蛭子公園だけでなく、東岸も河畔を児童公園として開放しているため。子供の遊び場が隣接しているとあれば、致し方ありません。

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喜色を浮かべて橋上に進みながらも、ふと、この鳥かごのような窮屈さを記録しておこうと、一歩下がってフェンス越しに閘室を初見。全体的に、錆色と褪色した構造物が視界を占め、荒廃といってもいい過ぎでない雰囲気。Googleマップやストリートビューから受けた印象が、間違っていなかったことを実感したわけです。

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金網の目にカメラの鏡筒を突っ込み、クリアな状態で改めて閘室とご対面。側壁に並んだフェンダー、上下流側に一つづつある2色信号の灯器、そして2基のマイタゲート。間違いなく閘門であります。

「久しく使われていない」匂いをかぎ取ったのは、前扉室の扉体1枚が、中途半端な角度だったのがGoogleマップで見えたことからですが、写真でも右奥の扉体のみ全開しておらず、途中で止まったままなのがわかります。一体この、揚水場を併設したマイタゲートの水閘門に、何があってこの状態に至ったのでしょうか‥‥。
撮影地点のMapion地図

(元年9月14日撮影)

(『蛭子公園のマイタゲート…2』につづく)

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タグ : 新町川閘門徳島市