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鍋川閘門…4

(『鍋川閘門…3』のつづき)

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後扉室の信号をアップで。改修時の更新か、LED化されていますね。大屈曲に合わせて、堰柱に対し45度くらいでしょうか、大きく角度をつけて取り付けられているのがわかります。

堤防の影になって船艇の動きは見通せなくとも、高さのある信号が見えれば現示された灯色で、閘門の状態がわかるというわけです。

239112.jpg上下流の閘室前に掲げられた、通航法と信号の説明。赤が通航中待機、青が閘室進入可、黄色の点滅が両扉室開放中というわけ。

閘室外のロープを引いて通航要請した後、特に通航艇側からの操作が必要ないのは、旧吉野川河口堰閘門と変わりません。


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以下、上流側に戻りながらのスナップです。後扉室裏をアップでもう一度。「下流」のプレート、天地に水抜き穴が空いていますね。湛水線を見ればわかるとおり、プレートの半分くらいまで扉体が浸かるためでしょう。

後扉室の梁の下、幅いっぱいに網がかぶせてあります。一瞬ハトよけかな? と思ったのですが、ここには鳥が入るようなすき間はないはず。もしかして、表面に薄く引かれたセメントが剥落するので、それを防ぐためでしょうか。

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南側は田畑が残っていましたが、北側は住宅街が河畔まで迫るまことに閑静な立地。ときどきクルマが通るくらいで、静かな閘門風景を楽しめました。

上の写真は、上流側にあった河川管理区域の境界標で、同様のものが下流側にもあります。閘門とその前後のみ、旧吉野川出張所の管理であることがわかりますね。

239115.jpgお別れの前に、前扉室を間近からもう一度。スキンプレートに点々と貼られたジンクと、天端から突き出た屈曲ラックのさやが、小型ながらちょっとした厳めしさを醸しているのが佳く、他所の閘門とは一味違った個性を感じさせますよね。

堰や排水機場に併設されたものではなく、閘門単体でぽつりと、狭水路の道中に在るというだけでも惹かれるのに、通航艇の視点で見たら、屈曲の向こうにいきなりヌッと現れるような、航程でのイベント的な魅力もある鍋川閘門。次回はぜひ水上から訪れて、水をしたたらせ躍動する姿を楽しみたいものです。


(元年9月14日撮影)

(『今切川河口堰』につづく)

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