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浜離宮散策

(『竹芝散策』のつづき)

8011.jpg食い足りない、とは言っても、特にあてもなく、とりあえず浜離宮に向けてほてほてお散歩。首都高がかぶさった海岸通りに出て、ふたたび汐留川とご対面。私の立っているこの部分、道路が水面上にはみ出した、桟道になっているのですね。

最奥部は浅くなっていて、小魚の玉(群れ)がいくつも見られる、緑濃い静かな水面。ちょっと前までは、かなりの繋留船が見られたのですが、現在はごらんのとおり一掃されて、入口はブイで塞がれています。
撮影地点のMapion地図

8012.jpg道路の拡幅によるものでしょう、いまやささやかな堀割となってしまった、汐留川沿いに歩を進めます。浜離宮一周は、ベカ舟かカヤックでないと難しそう…などと、あらぬ方に考えが及ぶのが水路バカ。

かつては、現在の東京高速KK(いわゆる『会社線』)のルートを銀座まで伸び、外濠に接続していた汐留川も、浜離宮の環濠と成り果てて幾星霜…。もし、今でも残っていたら、頻繁に訪ねたに違いありません。

8013.jpg中の御門橋から浜離宮庭園に入り、鳥の声を聞きながらお散歩。と言っても、お目当ては木々やお庭の泉水より、やはり水路…。

庭園の北側にある、お花畑とボタン園を囲むように、L字に掘られたこの水路(入園時にもらうパンフレットでは、単に『内堀』とあり)の佳さが、以前来たときから気になっていたのです。
撮影地点のMapion地図

8014.jpg天端に土盛りを残した、すこし積みがゆるんで波打った護岸の石垣、ところどころに切られた、水際に下りるための石段、潮が引いて、堆積した泥を露出させる水辺、そして、大きく張り出した橋台地のある橋…。

これで、両岸に河岸場や蔵があったら、江戸から明治初期にかけての、それも隅田川西岸の水路風景…それこそ、龍閑川や東堀留川といった、かつての商業地の堀割群を、髣髴させるような眺めではないでしょうか。

これで、荷足舟の遊覧サービスでもあったなら、まさに江戸期の水路の動態保存となるのでは…などと、栓ない妄想を起こさせるほどの、佳さがあるわけです。

庭園の、眺めて楽しむ泉水としては違和感のある、直線的な入堀の由来はわかりませんが、幕末に、徳川家の海軍屯所が設けられたこともあるようですから、それに関係した施設かもしれませんね。
ともあれ、水運全盛期の「都市河川」が、現代によみがえったような感すらあるこの内堀、末永く大切にしていただきたいものです。

8015.jpg都内でも珍しい、江戸の香りのする水路風景を楽しみつつ、水上バス乗り場の近くまで来たら、ちょうど両国行きが到着するとのこと。ここで一気に「お腹いっぱい」まで持ち込もうと、乗船することに。両国なら総武線への便もよいし、一石二鳥です。

乗り場で船を待っていると、おお、海洋大学のカッターが、ここまで入ってきた! 平日でなければ見られない船影に、テンション急上昇。これで水上バスに乗れれば、お腹いっぱい間違いなし!


(21年6月26日撮影)

(『水辺ライン初乗り…1』につづく)

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タグ : 浜離宮カッター

コメント

No title

一番最初に乗っていた9ft&4馬力のポリエチレン樹脂製ボートで多摩川の六郷を経ち目指すは第六台場という事でそのついでに浜離宮一周を試みた事が有りましたが潮が引いてる時だったので汐留川で座礁してオールで離礁して事なきを得ました。一周出来たら面白いですよね。

Re: No title

>夢民丸さん
9ftなら満潮時はいけそうですね、ただ浮いているゴミも結構あったので、機走は難しいかもしれません。
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