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蒲郡の印象…2

(『蒲郡の印象…1』のつづき)

225047.jpg何回かに分けようと思っていたけれど、やっぱり今回で終わらせてしまおう(すみません)。

前回に引き続き八百富神社と、ラグーナテンボスの遊園地・ラグナシアでのスナップを集めてみました。

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植込みと遊歩道が整備されたテラスに出てみると、胸のすくような景色が広がりました。竹島の左右に霞む島影や半島の山並み、穏やかな海面とあいまって、ため息の出るような美しさです。左手に見える二つの島は三河大島・小島で、連絡船で渡ることができます。しかし三河湾って、ちょっとした多島海で、しかも有人島が多いのですね。

擬宝珠をいただいた橋の親柱には、それぞれ「竹島橋」「三河湾」と銘がありました。川に架かる橋なら河川名が来るところを、三河湾という大きな地名をあてたあたり、ちょっと微笑ましいものが。初代橋は昭和7年4月に寄進されたRC橋で、現在の橋は同61年3月に竣工したものだそう。

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橋を渡りながらのスナップ。右手には蒲郡港の工業地帯と、岸壁にもやう自動車運搬船の姿が見えました。なだらかな山並みは画面左手、温泉で知られる西浦半島まで伸びています。

写真中央にも小さく見えているように、数隻のPWCが橋をくぐろうとしていたのか、こちらに近づいてきたのですが、途中で速度を緩めると、次々に反転して去ってゆきました。海面をのぞき込んだら、このあたりは水底の砂が見えるほど、凄く浅いのですね。

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竹島を間近にしたところで、鳥居をくぐりました。妙に低いのは、水際に立つ浜鳥居にそのまま橋をくぐらせてしまったからで、裏に回ると「大正四年九月奉建」とありました。

佃の住吉神社、水郷三社、厳島神社とお参りしてきた浜鳥居好き(?)としては、橋ごとくぐるのはまた違ったパターンで、惹かれるものがありました。昔は潮が引いて干潟が露出したときのみ、歩いて渡り浜鳥居をくぐったのでしょう。

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島に入ると見晴らしの良い橋上から一変、参道は鬱蒼とした森に囲まれた石段となり、掲げられたおびただしい奉納幟も圧倒的で、「社叢」の字面がしっくりくる荘厳さがありました。

対岸とわずか400mの距離にもかかわらず、独自の植物相があって、天然記念物にも指定されていることのこと。南方熊楠がひょっこり現れそうな雰囲気です。

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境内は参詣者で結構賑わっていて、お参りの後社務所でご朱印をいただきました。休憩所にはささやかながら史料を陳列した一角もあり、神社の歴史に触れることができます。皇室の崇敬はもとより貴顕の参拝も多く、東郷提督も昭和2年に扁額を揮毫されていました。

当日は気温が高く、風も穏やかだったこともあってか、境内に蚊が多かったのは閉口しました。ご朱印をいただいて、早々に橋へと脱出です。

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帰路の橋上では、ちょっとしたイベント(笑)がありまして。澄んだ水を透して、浅瀬に橋の影が映っているのを眺めていたら、何か茶色く四角いものが流れてきたのを発見。

魚にしては妙だな、とよく見たら、小さなエイ! 珍しさに思わず身を乗り出しました。

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最初に見つけたエイは小さなもので、流れに乗ってすぐ橋の下に隠れてしまいましたが、もう一匹、大きなエイが悠然と泳いできて、目を見張りました。

ゆらり、ゆらりとヒレをひらめかせながら、潮流に身を任せて水面近くをゆっくりとたゆたう姿、どこか神秘的な感じがして、ほれぼれと見入ってしまったものです。

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しかも、エイは一匹や二匹でなく、大小とりまぜて次々と現れたものですから、おっさん大歓喜。

何分、野良の(飼われているものでない、という意味です、はい)エイを目にするのは初めてで、加えてこれだけの数がまとまって押し寄せたとなれば、特に魚好きでなくとも、テンションも急上昇しようというもの。夢中でシャッターを切りました。

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中には、ひたひたの浅瀬に入ってきて、水面上に頭をのぞかせてペタリ、ペタリとヒレで水を叩くさまを見せたエイも。思わず「カワイイなあ‥‥」とつぶやいてしまうくらい。どこか人間臭い仕草も手伝って、すっかりエイのファンになってしまう始末。

このあたり、エイの繁殖地か何かなのでしょうか、三河湾の豊かさ、環境のよさが感じられますよね。珍しい光景に出くわせたことで、竹島参詣がより印象深いものになったのでした。

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可愛らしいといえば、往きに出会ったハトもそうでした。歩いていると、すぐ近くの高欄に降りてきて、仲良さげに二羽で寄りそって留まり、もの欲しそうにじっと見つめてきたのです。

近所の人に餌付けされているのでしょうか、その割には橋が糞で汚れているところはなく、ちょっと不思議ではありました。「ごめんね、ゴハンはないんだよ」とお詫びしつつ一枚。

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前後しますが、竹島の浜から見た橋と浜鳥居の様子も。鳥居は最近になって補強したのでしょう、大きな基礎でがっちりと固められていました。

気持ちよく晴れていた空も、わずかな間に雲が多くなり、帰り際はご覧のとおりに。晴れているうちに訪ねられて、ラッキーでした。

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橋詰近く、竹島を望むには絶好の丘の上に立つ、いかにも歴史がありげな建物が気になりました。検索すると「蒲郡クラシックホテル」という、失礼ですがちょっと外した名前。

もとは「蒲郡ホテル」として昭和9年創業、昭和天皇・皇后両陛下も泊まられたことがあるのだそう。何度か経営母体が代わっており、現在の名前になったのは平成24年だとか。ここから眺める風光はさぞ見事でしょう、一度泊まってみたいものです。

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ここからはラグーナテンボスに入ってからのスナップ。私もファンである漫画「ワンピース」の劇中で主人公たちが乗る船、「サウザンドサニー号」の遊覧船があると聞いて、家族サービスも兼ねて乗ってみることに。写真は午後に晴れてから、観覧車より見下ろしたところ。

「ワンピース」の遊覧船といえば、以前お台場で運航していた先代、「ゴーイングメリー号」(過去ログ『出会ったフネブネ…3』参照)が思い出されます。一見した外観は先代のそれより洗練(?)されて、より劇中に沿った印象ですね。

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並んで乗船を待つ間、船首甲板をのぞき込んで。四角い船体の、自航デッキバージといったところでしょうか。アンカーは2基備えられており、キャプスタンを覆うくらい装飾部分が迫っています。

ちなみに船首のライオン像は、劇中同様口が開き、中から「ガオン砲」なる大砲が突き出て、発射音とともにスモークが噴き出るギミックがあります。乗ってからでは見られませんから、ちゃんと岸壁で待っている間に操演してくれるあたり、憎い心配りでありました。

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乗ってみた感じも、劇中の大きさに近いのがファンとしては嬉しいところ。この点、タネ船が観光汽船の「遊」で、劇中の「ゴーイングメリー号」より大ぶりに仕上がってしまった先代より、進歩したといってよいでしょう。

まあ、遊覧船としての収容力も併せて考えなければいけませんから、難しいところではあります。三河湾上に出たら、トビウオが間近に跳ねて盛り上がったりと、美しい風光とともに楽しめました。

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法定装備の位置を示したデッキプラン。水線下の形状も描かれています。装飾部分までちゃんと描き込んであることろが面白いですね。

ちなみに本船、当初は佐世保のハウステンボスで平成23年に就航、その後こちらへ自力回航したもので、船籍は佐世保のままだとか。運航は9月いっぱいで終了しています。

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その後、遊園地「ラグナシア」へ。プールを中心にしていますが、水着のまま乗れる乗り物もいくつかあります。その中の豆汽車「トレイン・トレイン」に吸い寄せられて一枚。

何が気になったって、全体のアバランスさというか、各所の造作がやたらとムラがあるのに、かつてないものを感じてしまって‥‥。例えば、キャブ周りはやっつけた感じなのに、煙室サイドの銘板だけ妙にリアルに造ってあるとか。機関車がやたらと腰高で軸距が短い割に、炭水車の重心が低く這うような感じとか。

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むう‥‥。ま、まあ、こちらの最後の方の写真とくらべてもらえると、興味深いかも。

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おまけ。豊橋駅で新幹線に乗り換えた際、ホームから見えたスペースシャトルの立体看板に惹かれて。

こういうモノが健在な街、うらやましい気がしました。思えば昔のビルって、こういった巨大模型の看板を掲げて、宣伝に努めていたところが結構あった記憶が‥‥。一番好きだったのは、小松製作所(現『コマツ』)の本社ビル屋上にかつてあった、巨大ブルドーザーでした。同社サイトの「沿革」、1966年3月の項に写真が出ています。

(30年9月23日撮影)

(この項おわり)

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タグ : 蒲郡八百富神社竹島ラグーナテンボス