分水路まつり覚え書き
(『神田川分水路まつり…13』のつづき)
●何分地下だけに、航行中の写真だけではピンと来ない方もおられるかもと、例によってGoogleマップで、簡単ではありますが、水道橋分水路の経路図を描いてみました。
埋め込みにすると表示が重くなりますから、下の写真は単なる複写にしてあります。ホンモノはこちらからどうぞ。大縮尺にすると、線が太く見えてしまうので、拡大してご覧いただければ幸いです。

●航行中の写真でもご紹介した、マンホールや柱を、地上から実地で検分できれば、もう少し精度の高いものになるとは思うのですが、お散歩の時間も取れそうにないので、とりあえずごく荒いものでご勘弁ください。
●水道橋分水路は、ご覧のとおり2本の分水路が並行して設けられています。
イヤ、全部を見たわけではないので、断言するのははばかられますね。そうとしか考えられない構造、くらいにしておきましょうか。都建設局による、詳細の公表が待たれます。
ここでは仮に、白鳥橋上流から、水道橋下流までのものを1号分水路(青線)、船河原橋上流から小石川橋上流までのものを2号分水路(赤線)としました。
今回航行したのは、1号分水路は呑口(青印)から第一開口部(赤印)までと、終端の第二開口部(紫印)から上流側100mほど。2号分水路は全区間です。
神田川には、他にも数本の分水路がありますが、全区間が可航域にあり、しかも、曲がりなりにも動力船が航行できる環境にある分水路は、この水道橋分水路のみと言ってよいように思います。
●「神田川分水路まつり…9」で触れた、1号分水路の終点近くに、天井高が低いところがあるのでは…と、なぜ思ったかについて…。
それは、水道橋駅横にある、市兵衛河岸船着場(青鋲印)奥の壁面に見える、2つのヒンジ付き排水口の存在が、引っ掛かっていたからです。(写真は18年9月撮影)
●以前、「旧小石川河口のなれの果てでは?」などと、土木的妄想をふくらませていたのですが(『神田川分水路まつり…11』でも、『小石川?』が出てくるのが何ですが)…、この排水口が、分水路直結などでなく、別の独立した暗渠の吐口だとしたら、分水路の頭上を通っているはず…。つまりその分、分水路の天井高は低くなっているのでは、と考えたからです。
もちろん、確かめたわけではないので、今のところは個人的な妄想にすぎません。
●今ひとつは、鈴木理生氏の「江戸の川・東京の川」(井上書院)の280ページにある「神田川流量分配図」にある記述を見たことから。(分水路に関する資料としては、一般で手に入る、唯一のものではないでしょうか。)
これはその名のとおり、神田川とその派川、および分水路の水を流れ下す容量が、どのくらいあるかを図にしたものです。
注目したのは、1号分水路の流量が125立米/秒、2号分水路の流量が145立米/秒とあったこと。明らかに1号分水路の流量が少ないのです。やはり、断面そのものが小さいのか、または途中に、狭窄部のような障害があるように思える記述でした。
●まあ、あれこれ興味は尽きないのですが、言うまでもなく、船が航行するために造られたものではないので、通航する際は潮位をはじめ、細心の注意を払っていただければと思います。
参考までに、Mapionの「キョリ測」で測った延長は、1号分水路が約1600m、2号分水路が480mほどでした。
【追記】水道橋分水路・お茶の水分水路の詳細をまとめたGoogleマップ「神田川・水道橋分水路・お茶の水分水路略図」がアップされています。詳しくは「水道橋分水路・お茶の水分水路のまとめ」をご覧ください。
(『「源森川」に道草…1』につづく)

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●何分地下だけに、航行中の写真だけではピンと来ない方もおられるかもと、例によってGoogleマップで、簡単ではありますが、水道橋分水路の経路図を描いてみました。
埋め込みにすると表示が重くなりますから、下の写真は単なる複写にしてあります。ホンモノはこちらからどうぞ。大縮尺にすると、線が太く見えてしまうので、拡大してご覧いただければ幸いです。

●航行中の写真でもご紹介した、マンホールや柱を、地上から実地で検分できれば、もう少し精度の高いものになるとは思うのですが、お散歩の時間も取れそうにないので、とりあえずごく荒いものでご勘弁ください。
●水道橋分水路は、ご覧のとおり2本の分水路が並行して設けられています。
イヤ、全部を見たわけではないので、断言するのははばかられますね。そうとしか考えられない構造、くらいにしておきましょうか。都建設局による、詳細の公表が待たれます。
ここでは仮に、白鳥橋上流から、水道橋下流までのものを1号分水路(青線)、船河原橋上流から小石川橋上流までのものを2号分水路(赤線)としました。
今回航行したのは、1号分水路は呑口(青印)から第一開口部(赤印)までと、終端の第二開口部(紫印)から上流側100mほど。2号分水路は全区間です。
神田川には、他にも数本の分水路がありますが、全区間が可航域にあり、しかも、曲がりなりにも動力船が航行できる環境にある分水路は、この水道橋分水路のみと言ってよいように思います。

それは、水道橋駅横にある、市兵衛河岸船着場(青鋲印)奥の壁面に見える、2つのヒンジ付き排水口の存在が、引っ掛かっていたからです。(写真は18年9月撮影)
●以前、「旧小石川河口のなれの果てでは?」などと、土木的妄想をふくらませていたのですが(『神田川分水路まつり…11』でも、『小石川?』が出てくるのが何ですが)…、この排水口が、分水路直結などでなく、別の独立した暗渠の吐口だとしたら、分水路の頭上を通っているはず…。つまりその分、分水路の天井高は低くなっているのでは、と考えたからです。
もちろん、確かめたわけではないので、今のところは個人的な妄想にすぎません。
●今ひとつは、鈴木理生氏の「江戸の川・東京の川」(井上書院)の280ページにある「神田川流量分配図」にある記述を見たことから。(分水路に関する資料としては、一般で手に入る、唯一のものではないでしょうか。)
これはその名のとおり、神田川とその派川、および分水路の水を流れ下す容量が、どのくらいあるかを図にしたものです。
注目したのは、1号分水路の流量が125立米/秒、2号分水路の流量が145立米/秒とあったこと。明らかに1号分水路の流量が少ないのです。やはり、断面そのものが小さいのか、または途中に、狭窄部のような障害があるように思える記述でした。
●まあ、あれこれ興味は尽きないのですが、言うまでもなく、船が航行するために造られたものではないので、通航する際は潮位をはじめ、細心の注意を払っていただければと思います。
参考までに、Mapionの「キョリ測」で測った延長は、1号分水路が約1600m、2号分水路が480mほどでした。
【追記】水道橋分水路・お茶の水分水路の詳細をまとめたGoogleマップ「神田川・水道橋分水路・お茶の水分水路略図」がアップされています。詳しくは「水道橋分水路・お茶の水分水路のまとめ」をご覧ください。
(『「源森川」に道草…1』につづく)

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コメント
No title
Re: No title
>sakaiさん
灯りひとつないトンネルのこととて、緊張はしましたが、大いに楽しめました。
後楽園球場があったころは、確かに明るかったですね。歓声もかなり遠くまで聞こえた記憶があります。
灯りひとつないトンネルのこととて、緊張はしましたが、大いに楽しめました。
後楽園球場があったころは、確かに明るかったですね。歓声もかなり遠くまで聞こえた記憶があります。
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母がこの辺の出身なので昔の事聞いてみます。
戦後は後楽園球場の明かりで本を読んでいた
と言ってました。
では、また。