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神田川分水路まつり…13

(『神田川分水路まつり…12』のつづき)

6086.jpg…というわけで、短い探索を終え、水道橋下流の開口部まで戻ってきました。分水路の雰囲気を、ゲップが出るほど味わったのですから、もうノレンをくぐって店を出てもよいのですが、その前に、もう一つ確かめたいことが…。

ここに入ったとき、視線の端にチラッと見えたものがあったのです。

6087.jpgそれは下流側の分水路…「神田川・お茶の水分水路」(長崎大学工学部・社会開発工学科・地盤環境研究室)によれば、ここはお茶の水分水路の基点だそうですが…、入口近く、天井には型鋼らしきもの、左右の壁には、四角い凹みが対になっているのが見えますね。

これは、検分しないわけには行きますまい。以下3枚、お見苦しい写真ですが、ご辛抱ください。

6088.jpgまず天井のコレ…I型鋼ですね。どう見ても、天井走行クレーンのレールとしか思えません。長さは10mほどでしょうか。これだけでは、何を吊り下げるために造られたのか、見当がつきません。

ふと、天井の手前側、左右の壁近くには、アイが一つづつ見えるのに気づきました。そのほぼ真下の壁には、四角い凹みがあります。

6089.jpg壁の四角い凹みに視線を移すと…わかった! ポイントは、凹みの下に切ってある戸溝です。ここも、先ほどの「地下水門」同様、角落しをはめ込んで、ふさぐ仕掛けになっていたのですね。

しかし、角落しをはめる工程を想像すると、幅があるだけに手間がかかりそうです。
まず、台船に乗せてきた角落し(幅約7m、高さは1枚1mくらいか)を、レール上のクレーンで吊り上げておき、台船を引き出し(角落しでふさがれると、出られなくなるから)てから、吊り上げた角落しを手前まで移動させ、下げながら壁の凹みを使って90°回転、やっと戸溝にはめ込む…。

6090.jpgさて、航行距離はわずかながら、息詰まるような濃厚な楽しさがあった「分水路まつり」も、これにて終了です。単なる水路トンネルと思っていたここにも、結構な見どころがあることがわかり、お腹いっぱいの探索行となりました。

開口部から外を見ると、橋詰の高架下にある牛丼屋さんから丸見えなのに気づき、ちょっと恥ずかしい…。このお店、川に向いた席があるので、穴の中でウロウロしている、挙動不審なフネの姿を、食事がてら眺めていた人がいたに違いありません。


(21年5月3日撮影)

(『分水路まつり覚え書き』につづく)

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タグ : 水道橋分水路神田川お茶の水分水路分水路

コメント

No title

以前ご相談にのっていただいたsakaiです。
分水路まつり読ませていただきました。
いや~凄い冒険ですね。
読んでいるうちに本当にドキドキしてきました。
僕もいつかは都内水路に浮かんでみたいです。
ではまた楽しみに拝見させていただきます。

Re: No title

>sakaiさん
分水路まつりにお付き合いいただき、ありがとうございました。
ブログ楽しく拝見しました。ミニボにとって、江東内部河川は最適のフィールドではないでしょうか、低い桁下高も、潮位をあまり気にせず、楽々クリアできそうです。
航行記をアップされたら、ぜひお知らせくださいね。

No title

下手なブログ読んでいただいたんですか~。
ありがとうございます。
水路めぐり準備はぼちぼちですが、
出航場所が見つかりません。
気長に探してみます。
ではまた。

Re: No title

>sakaiさん
こちらこそ、お越しいただきありがとうございます。
都内ですと、一般の方が利用できる出艇場所はマリーナしかないので、そのあたり割り切っていただくしかないかもしれません。
ご安航をお祈りしております…。
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