神田川分水路まつり…8

(『神田川分水路まつり…7』のつづき)

6061.jpg近づいてよく見てみると、開口部の前の天井にある、ナゾの突起のようなものは、2列に整然と並んでいます。前後の天井には見られなかったことからも、この開口部と何か関係があることは、間違いはなさそうですね。

開口部の形も、スパッと四角く抜けているというよりは、ちょっといびつな形に見えます。それに、開口部の真上にも、各々一つづつ、穴が開けられているのも気になりますね。
さらに近づいてみましょう。

6062.jpgスロットルを引いて、観察してみると…開口部の上端は、下より少し幅が広く造られており、断面には戸溝が切られている…。
そうだったのか! 
これで全てのナゾが氷解した!(大げさですが)

戸溝が切ってあるということは、角落し(板や角材)をはめ込んで、開口部を塞ぐ必要があるということ。開口部の上端が、少し広く取ってあるのも、角落しのためであることは、言うまでもありません。

つまりここは、簡易構造の水門と言ってもよいものだったのです。地下河川の地下水門…何か秘境めいて、カッコイイぞ(笑)。

角落しがはまるとなれば、周りに見える他の設備も、全てその関連と見てよいでしょう。開口部の上に一つづつある竪穴は、チェーンブロックのような、角落しを吊り下げる設備が入る穴と見て、間違いありますまい。開口部の天端には、アイのような金具が3つ見えるのも納得できます。

6063.jpg天井の、2列に並んだこの突起…。三土氏は「鳥の巣のようなもの」と気味悪がっていましたが、これもよく見るとアイのようです。増水した際、からみついたゴミとサビで、なるほど不気味な形ではありますね。

角落しはもちろん、船で運んでくるのでしょうが、高さの限られる分水路の中では、クレーンを使うなど、もちろんできない相談…。これらのアイに滑車やチェーンブロックをかけて、えんやこらと持ち上げるに違いありますまい。2列になっている理由のみ、いまひとつわかりませんでしたが…。

6064.jpg新たな発見をして、テンションを急上昇させつつ、「地下水門」を後に、再び微速前進。

静かな闇に沈んでゆく、4径間の「地下水門」。まあ、言ってみれば単なる穴なんですが…。ここに角落しがはめ込まれる時というのは、果たしてどんな事態なのでしょうか。これも興味をそそられます。

6065.jpg「地下水門」を過ぎると、いよいよ出口も間近。しばらくぶりに見る日の光が、まばゆくて目を細めます。

出口が近づくにつれて、しじまを破るように、さざ波が分水路の中までゆるゆると押し寄せ、やさしく艇をゆさぶりました。静まり返った水面を進んできただけに、低い波の感触が、なんともなつかしく思えたものです。


(21年5月3日撮影)

(『神田川分水路まつり…9』につづく)

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タグ : 水道橋分水路 神田川 分水路

コメント

なるほど!

上から板を差し込んで、バタンバタンと落として塞いでいくわけですね。
いろんな発見をしながら暗い地下(?)水路をゆっくり進んで行くってのは、なんか大冒険みたいな感じでワクワクしますね。いいなぁー。

Re: なるほど!

>Django2さん
そうなんです、最も素朴な型式の水門に、こんなところで出会えるとは驚きでした。
私、このあたりの道路は、仕事でしょっちゅう通っているので、わずかコンクリ一枚(?)下を探検気分で動き回っているのは、妙な気分でもあり、楽しくもありました。
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