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中川口閘門…5

(『中川口閘門…4』のつづき)

206066.jpgテラスの張り出しまでがしがし歩いて、やおら振り返ると、逆光ではあるもののもうバッチリな角度。格好の鑑賞ポイントを作ってくれた名古屋市に感謝しつつ、柵にもたれて眺めることしばし。

水面には、何ヶ所かブクブクと泡が沸きあがっているところが見られました。空気で撹拌して、水質を維持するためでしょうか。


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ではぐっとたぐり寄せて、アップで堪能とまいりましょう。今度は内扉室側からなので、外扉室の裏側のディテールまで、じっくり観察できます。

前扉室の2組のゲートから、一対ずつ扉体の高さが低くなってゆくさま、扉体と開閉ロッドとの高さの差を、トラス状の構造で合わせている様子と、今まで見てきたマイタゲートと違った独特の風貌。機械美的な魅力にあふれています。

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この、何て呼んだらいいんでしょう、開閉ロッドの軸受け部分をさらにアップ。斜材は梯子を兼ねているのですね。裏側の筋交に木材が張ってあるのは、堀川口防潮水門と同様です。
気になったのは、扉体のヒンジ‥‥回転の中心と、開閉ロッドの作用点の距離が、妙に少ないこと。素人目で見ると、力は余分に必要なものの、開閉はストロークの少ない分早くできるとか、何か利点があってのことではと妄想。

そうそう、出発前に改めて検索したのですが、中川口閘門(現行の第二閘門)の寸法など諸元が掲載されたサイト、ついに見つかりませんでした。例によって、探し方が悪いだけなのかもしれませんが‥‥。名古屋市もウェブサイトの記事やPDFのパンフレットを複数アップして、中川運河の宣伝には努めているようですから、次の機会には閘門の詳しい紹介をぜひ、盛り込んでいただきたいものです。

206069.jpg外扉室の裏側に、法定表記のようなものがあるのに気付きました。橋でもよく見る、塗装についてのものだとピンときて、ズームで最大限たぐり寄せたのがこれ。

さすがに遠すぎて、とてもすべては判読できませんでしたが、前回の塗装が平成18年1月、塗料メーカーが中国塗料であることは、かろうじてわかりました。


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ほぼ同じ地点から、北へ振り返って一枚。美しい弧を描く、いろは橋をくぐって折しも、レガッタが次々と南下してきました。南端部に近いこの水面は、漕艇場として活用されているのです。いろは橋の西詰に、拠点である名古屋港漕艇センターも設けられているとのこと。

水路敷に張り出す形で、広大なテラスも整備されて、沿岸に倉庫や工場が軒を連ねた、かつての艀船運河の面影は薄まりつつあるものの、なお広大な運河に、いにしえの活況をしのんで一人妄想。

さて、せっかく名古屋を代表する運河を(ホンの入口だけですが‥‥)訪ねることができたのだし、次回は手持ちの絵葉書などを並べて、開鑿成った当時、昭和初期の雰囲気を堪能してみることとしましょう。
撮影地点のMapion地図

(29年5月3日撮影)

(『戦前の中川運河をしのんで』につづく)

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タグ : 中川運河中川口閘門閘門

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