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謎の木造帆船!

(『先代「しらせ」がいた!』のつづき)

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船橋航路を終端まで北上し、左手の水路へ。日の出埠頭と中央埠頭に挟まれたこの水路を奥までゆけば、お目当ての水門が右手に見えてくるはずです。

ほぼ正面に見える新港大橋をくぐって右に折れると、8年前に訪ねた真間川水門や、真間川(過去ログ『真間川水門』ほか参照)に出るんですよね。

200022.jpg新港大橋近くまできて、さて、水門見物に取りかかろうとしたところで、左手、砕石を積んだ岸壁に何やら帆船らしい船が!

逆光に目を細めて、シルエットを一見しただけでも、そんじょそこらの船ではない、ただならぬ香気を発散していることは一発でわかりました。スクーナーでも、ましてや大型和船でもないその姿、これは寄り道しなければウソでしょうと、興味津々で取舵一杯、最微速前進!

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うおお、コレハ! 二脚檣にアウトリガーときた! いかにも南方系の香りがする艤装に、まず目を奪われました。

何より、塗りのはげちょろげた船体、上部構造もことどとく陽と潮に焼けて白茶けたあたり、これは単なるレプリカなんてものではなく、長い航海を経た船でなければ見られない傷み方。万里の波濤を越えてやって来た、復元帆船に違いないと確信しました。

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さらに近寄ってディテールを観察。マストの基部‥‥和船なら「筒ばさみ」に相当するところは、厚手の部材に波模様のような、手の込んだ彫刻が施されています。

アウトリガーの腕木は、根元が直角に曲げられていて、ピンの抜き差しで角度を何段階かに調整できるようですね。舷側の手すり一本一本にも、彫刻が施されているのは、きっと伝統船型の忠実な復元なのでしょう。

200025.jpg船尾、舵の座周りにはやはり彫刻で飾られた上屋が。透かし彫りの一段と豪華なものですが、波をかぶったとき壊れてしまわないか、余計な心配をしてしまうほど繊細な感じです。

舷側からは舵櫂が下がっていました。これで操舵するのかしら、と思ってよく見てみると、船尾材の水面近くに舵頭がわずかに顔を出しているのを発見。主舵があるということは、舵櫂は横風帆走時にリーウェイを防ぐ、いわば副舵なのかもしれません。

さて、気になるこの船について検索したところ、船名は「スピリット・オブ・マジャパヒト」、インドネシアの伝統船型をなぞった復元船でした。やはり! 5月11日にジャカルタを出港、79日をかけて7月28日、船橋港に到着したのだそうです。

北へ日本へ 79日間ジャカルタ~東京 マジャパヒト号 アジアの大航海時代を再発見 (2016年08月26日)」(じゃかるた新聞

記事の写真を見てみると、追風帆走時の姿が素敵で、天地に帆桁を通した幅広の帆が珍しく、興味深く拝見したことではありました。3200浬におよぶ大航海、本当にお疲れさまでした!
撮影地点のMapion地図

(28年12月31日撮影)

(『船橋港の水門と水路めぐり…1』につづく)

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タグ : 船橋港

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