阿賀野川頭首工を愛でる…8

(『阿賀野川頭首工を愛でる…7』のつづき)

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「阿賀用水左岸取付橋」の真下、左岸取水口の樋門の堰柱に掲げられていた「阿賀野川頭首工のあらまし」。これで全体の概略はもとより、不明だった各部の寸法も載っていて、フンフンと興味深く拝見。

舟通しの延長33mは、図面上の寸法から見て、閘室有効長と考えていいのかな? いやそれより、目を剥いたのは赤矢印をつけた部分! 舟通し上流側に、1本だけではあるものの、背割堤が長く伸びている! 
もしこれが現実にあったら、通航船の進入は格段にやりやすくなります。ではなぜ、本来ないものが描いてあるのか‥‥。計画だけで、最初からなかったのか、それとも撤去されたのでしょうか?

193107.jpgそこで気になったのが、管理棟前の水面にぽつりと顔を出していたコレ! 位置的にもちょうど、閘室側壁の延長線上で、図面と照らし合わせると、背割堤の先端とほぼ同じのようです。

妄想するに、造ってはみたものの、後に樋門からの取水や土砂吐ゲートの機能を阻害することがわかって、改修時に撤去されたのか、それとも図面上の計画だけで、建設前に同様のことが指摘され、最初から造られなかったのか‥‥。でも後者とすれば、コレが痕跡のように残されたのは、ちょっと腑に落ちませんよね。

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謎を残しつつも、舟通しをものするベストポジションを求めて下流側へ。危なっかしい足取りで法面を駆け下り、護岸上の平場でつんのめるようにして踏みとどまって、やおら顔を上げると‥‥おお!

ここは結構いいかも! 目線がちょっと高いけれど、舟通しそのものの質量を味わうには、十分すぎる距離の近さ。堰柱基部から、手前に伸びる2本の背割堤、丸められた天端の感じが、ちょうど前に伸ばしたネコの足のようで、エジプトのスフィンクスを連想させるものがありますね。

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扉体のディテールをとらえておきたいと、もう少し正面に近い立ち位置を探して、さらに下流側からズームで狙ってみました。

陰っていた陽射しも戻り、白く輝く堰柱を振り立てて、威風堂々の面持ち。この日一番のお気に入りとなりました。

193110.jpg気になっていた扉体もズームでたぐって一枚。先ほど橋の上から見つけた、天端近くに切られた二つのスリットから、水がほとばしっているのが見えました。

前扉(上流側の扉体)にも、同様のスリットが設けられているとすると‥‥これは、閘室内の水位を保ちながら、少しづつ水の入れ替えをし、水質の悪化を防ぐ手立てなのではないでしょうか。

そういえば、「釜口水門を訪ねて…4」で、閘室の中に大量の魚が閉じ込められて、腐臭を放っていたことがありましたっけ。いずこの閘門も通航量は決して多くありませんから、この工夫はまことに的を射たもので、感心させられたものでした。

(28年5月28日撮影)

(『阿賀野川頭首工を愛でる…9』につづく)

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