阿賀の里遊覧船…5

(『阿賀の里遊覧船…4』のつづき)

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193062.jpg石の河原がある大屈曲を半ばまで遡上したところで、船はゆっくりと転回、下流に向かいます。視界の前と後ろを山稜に扼される、山間の可航水路の面白さ! 三川からの川下りコースを復活していただければ、こんな川景色の連続なんですがねえ‥‥。

先ほどくぐった二つの橋を、上流側から遠望した眺めもまた佳し。複雑な山容が重なり合う左舷側と、なだらかに開けた右舷側との地勢の違いがよくわかります。

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右手に、コンクリートの白い法面も真新しい、竣工成ったばかりの堤防が見えてきました。こちらも阿賀の里のあたり同様、洪水の被害をこうむって、堤防を改修した区間なのでしょう。

左手に見える2径間の樋門にあたり、まだ土嚢が積まれていて、表土が落ち着いていない場所もあることがわかります。水際にぽつぽつと生える木々の様子はいかにものどかですが、大規模な改修工事に、爪痕の深さを感じさせるものがありました。

193064.jpgふたたび転回して遡上に戻る地点から、下流側を望んだところ。下る一方の稜線が、山勢すでに衰えつつあり、川が間もなく開けた平野に出ることを物語っています。

キラキラと陽光を反射するさざ波の向こうに、堰が見えますね。帆かけの川舟時代を知っているという老船頭さん、「このダム(堰のこと)ができて、船の行き来はできなくなってしまいました‥‥」と寂しそうに語りました。

‥‥無粋ながら、ここでひとつものいいを。船は今でも通れます! 本件については、後ほどいきんで詳らかにさせていただきましょう、ええ。

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その少し上流、南側にあるのが咲花温泉。山裾の迫るささやかな河畔の平地に、数軒の旅館が箱庭のような温泉郷をかたちづくっていました。こちらも頑丈そうな堤防が築かれ、右端には小さいながらポンツン桟橋も見えますね。遊覧船が、こちらに立ち寄る計画もあるのでしょうか。

阿賀の里遊覧船の周回コースは、これにておしまい。山間から平野へ流れ下る、阿賀野川下流部の始まりといってよい、表情豊かな区間が堪能でき、楽しめました。
撮影地点のMapion地図

そうそう、かつての阿賀野川舟運については、ウェブ上にもいくつか良い記事がありますが、「懐かしい写真で振り返る阿賀野川(新潟)」(4travel.jp)に、巡回パネル展示「懐かしい写真で振り返る『阿賀野川・光と影の近代ものがたり』~イザベラ・バードから近代産業まで~」の写真を収録しており、全盛期の舟運風景を見ることができますので、特にお勧めします。

一大河岸地であった津川を中心に、船道(せんとう)と呼ばれた舟運ネットワークが現役だったころの舟航風景、帆船時代の主役であった大型川舟・コーレンボウ、水面を埋め尽くす筏、果ては葛塚航路の川蒸気、満願寺閘門をひしめきあって通航する砂利舟まで! どれも涙モノといってもおおげさでない、細部のディテールまで看取できる素晴らしい写真ばかり。さすがかつての舟運王国・新潟、史料の豊かさ、質の高さは半端ではありません。
(新潟の河川舟運については、『新潟の川蒸気史覚え書き』、『満願寺閘門…1』ほかをご参照ください。)

(28年5月28日撮影)

(『頭首工の見える宿!』につづく)

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タグ : 阿賀野川 阿賀の里遊覧船

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