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27年度川走り納め…10

(『27年度川走り納め…9』のつづき)

186046.jpg新芝北運河との十字流に接する、香取橋をくぐって。茶色い頭のホシハジロ君はじめ鴨さんたち、お邪魔してごめんなさい。

星霜を経た肌のコンクリート橋、無骨な水管橋が居並ぶ向こうにはモノレールも走ってと、いかにもかつての「東京港のバックヤード」を思わせる光景の中、橋をくぐってみると‥‥。


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鹿島橋が撤去されていた!

橋脚までもはや跡形もなく、ご覧のとおり錆色の鋼矢板や仮桁が視界いっぱいに広がって、いうまでもなく改架工事中。むう、また一つ、昭和初期の鋼橋が姿を消してしまったか‥‥合掌。

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ありし日の姿をしのんで、21年12月13日の写真から(『新芝運河に拾う…2』参照)。古い鋼橋ということで、それなりに意識はしていたのですが、どういうわけだか、呪われたようによい写真がありませなんだ。この一枚は、向こうの船溜が割とよく見えるので、選んでみたものです。埋め立てられて、短くなった水路の終端近くに架かっていたという意味では、砂町北運河の九重橋に近いものを感じますね。

鹿島橋港区HP)によると、昭和5年3月竣工、長さ35.6m、幅17.2m。震災復興計画によるものかどうかはわかりませんが、数ある復興橋と同世代の橋といってよいでしょう。

186049.jpg鹿島橋を失った十字流を背に、田町駅前、新芝橋へ向かって微速前進。狭水路にテラス、両岸に屏風を立てたように連なるビルと、芝浦運河地帯ならではの景観が続く区間。

陽があまり射さないので、少々底冷えはしますが、完璧に整備されたテラスとともに、整然とした「人工の峡谷美」が楽しめるところでもあります。


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前後のほどよい屈曲と、四周を高いビルに囲まれているおかげで、まず風が抜けることはなく、もちろん水面もきわめて穏やか。両岸はテラスが整備されているので、水面下にひそむ基礎護岸や、ガレ場などの危険物もなし。その上、転回も何とかできるくらいの、ほどよい狭水路――ん? これって冷静に考えてみると、艪漕ぎには最適の環境じゃないですか!

以前もお話ししたように、我が木っ端ブネは和船と違って上部構造があるため、艪漕ぎ中はわずかな風でも影響甚大で、頭が風下に落とされてしまいます。流れについてはいわずもがな。操縦性も極端に落ちる(これは、漕ぎ手の技量の低さもある)ので、船底を傷つけるような沈置物や、水面下の構造物も禁物。巡航0.5kt程度という超微速で、行き足を実感するには岸の近い、狭水路がよい‥‥。

いや、ここで艪を漕がなかったのが、ずいぶんもったいないことのように思えてきました。大横川一択はそろそろ卒業して、次は新芝運河で艪声を響かせてみようと、一人妄想してはニヤつくおっさんでありました。
撮影地点のMapion地図

(27年12月31日撮影)

(『27年度川走り納め…11』につづく)

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タグ : 新芝運河新芝北運河

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