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山間のノッポ閘門! さみだれ大堰舟通し…3

(『山間のノッポ閘門! さみだれ大堰舟通し…2』のつづき)

183061.jpg管理橋を渡って、東岸にある国交省・東北地方整備局・酒田河川国道事務所の飽海出張所へ。休日のこととて無人ですが、屋外展示物があるせいか、幸い門は開いていたので、失礼して敷地内へ。

ベンチのある右の階段が、どうやらフィッシュギャラリーへの入口みたいですね。隣接する建物には、展望室や資料室らしきものも見え、さみだれ大堰、特に閘門のことを知りたい船頭にとっては残念でしたが、こればかりは致し方ありません。

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敷地内には石碑2基がありましたが、何といっても展示物の目玉は、この「ゴム堰実物大模型」でしょう。国内最大級のゴム引布製起伏堰、この珍しい堰の扉体を、実物と同じ素材で輪切りにして、触って確かめられる展示なのですから、物見高くもなろうというものです。

183063.jpg上写真、枠左側の水位尺(一番下1mは外れていますが)でもわかるように、起立(起伏堰の全閉は『起立』だそう! ちなみに開放は『倒伏』)時の堰高は2.7m。向かって右側が下流で、越流を整えるフィンが突き出ているのも再現されています。

スリングポイントは4ヶ所なので、全体の形を整えているのは、表裏に張られた帯金。ゴムというのと色が黒いことから、どこかタイヤっぽい感じがするかもしれませんが、間近で眺めるとむしろ、製造ラインのコンベアに使う、レザーベルトの質感によく似ていました。

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お待たせしました(自分に向けての言葉)。というわけで、いよいよ閘門を堪能しようと、鼻息も荒く下流側へ!

一見して感じた印象は、径間にくらべて堰柱の背がずいぶん高い、ノッポさんであること。扉体の天地寸法から考えれば、普通ならこの3分の2くらいで済みそうなものですが、計画高水位の上まで扉体を持ち上げておく必要があるためでしょう。

径間が狭いのに加えて、閘室長もご覧のとおり短いので、ノッポの堰柱とのアンバランスぶりが際立ち、それが他の閘門にない魅力になっているように思えました。

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閘室と岸の間には魚道があるので、何とももどかしい距離があるのですが、ここは近づけるだけ近づいて、後扉室ゲートをぐっと仰いだ一枚。高い位置に、扉体の点検用通路がめぐらしてあるあたり、急流に設けられたとあって、環境の厳しさを感じさせるものがあります。

扉体はおなじみローラーゲートですが、スキンプレートと反対側のこちらにも板が張ってあり、さらにステンレスをタイル状に上張り(?)してあるという、重装備といってよい型式。シェル式ゲートの一種かな? 

これも激しい流水から扉体を守るなど、河川環境ゆえの構造なのでしょうか。ステンレスの上張りは、上流側には見られなかったので、何か別の理由があるのかもしれません。
撮影地点のMapion地図

(27年11月22日撮影)

(『山間のノッポ閘門! さみだれ大堰舟通し…4』につづく)

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タグ : さみだれ大堰さみだれ大堰舟通し閘門最上川

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