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最上川舟下りを楽しむ…3

(『最上川舟下りを楽しむ…2』のつづき)

183016.jpg船が動き出すと、美人のガイドさんがマイクを握って船首側に立ち、沿岸の風物を案内してくれます。

単なる説明にとどまらず、興味を引きそうなコメントを付け加えては耳を傾けさせ、ときに笑いのネタを交えて座をどっと沸かせと、話術は名人級。優しいお国なまりも耳に快く、川景色に目を奪われながらも、思わず聞き入ってしまうものがありました。


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窓を開けて前方に目をやると、美しい山並みを映して流れる川面は、あくまで穏やか。霧もすっかり吹き払われて、遠くの稜線までくっきり。最高の天気といってよいでしょう。

183018.jpgガイドさんの指さす左舷側に、「昭和19年7月21日洪水」と書かれた、赤い横線の入った看板が。

酒田河川国道事務所の「既往著名洪水一覧表」によれば、この洪水の平均雨量は何と165.9mmで「既住最大」なのだとか。山の迫る狭窄部に阻まれた場所の洪水は、平地のそれとはまた違った恐ろしさがあるのでしょうね。


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しばらく進むと、ゆく手へくっきりと線を引いたように、さざ波立った水面が現われました。河床の勾配が、あの線から急になっているようですね。

初めにも引用させていただいた、長井政太郎氏の「最上川の水運」にもたびたび出てくる「遷急点」! いい言葉だなあ‥‥。最上川水運の隘路となり、反面河相の特色でもあった、その遷急点を生で体験できるのです!

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やがて船底に硬い衝撃が伝わってき、やや速度を増したかと思うと、周囲はたちまち一面の波に。右舷側にはゴロタ石の瀬がのぞいて、船はそれを避けるように、左側の岸に寄せて進みます。

遠目にはもっと低めに見えた波も、ただ中に入ってみると波頭が砕け、結構な迫力です。この流速と波を、帆走や人力による曳き舟で越えたかつての苦労、いかばかりのものだったでしょうか。

(27年11月22日撮影)

(『最上川舟下りを楽しむ…4』につづく)

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タグ : 最上川最上峡芭蕉ライン

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